Born Naughty? 言うことを聞かない子どもたち【お菓子しか食べない8歳児】S1E1
今回は、イギリスのテレビ番組「Born Naughty?」というテレビシリーズを紹介します。Naughtyというのは、”わんぱく・いたずらな”とも訳しますが、ここでは”悪い子・言うことをきかない子”という意味に近いです。
生まれつき悪い子なのか?
Born Naughty?は、全く言うことを聞かない、または”望ましい”とされる育ち方をしていない子ども達を抱えた親達が、どのように問題を解決していくのかを専門家にアドバイスを求める番組です。子ども達や家族の様子を観察しながら慎重に診断を下していくのは、小児科医でコンサルタントを勤めるドクター・ラビと、family GP(General Practitioner。小児科を含む家族に関する行動学や心理学などを総合して診断を下す。)であるハーパー博士の二人。
この番組は全て英語のプログラムです。
今回は、シーズン1の第一話より、一人目をご紹介していきます!
お菓子しか食べない8歳児
シーズン1で最初に取り上げられたのは、お菓子しか食べない8歳の男の子・ボビーです。4人家族で食事をしている様子が映されますが、ボビーは家族と同じものを口に含むことができません。8歳と言えば、もう十分に物事がわかっている歳です。食事以外には特に問題がないので、両親はfood phobia(食べ物恐怖症)を疑っています。
写真のようなキャンディー、チョコレートの他に、ゼリーやヨーグルト、焼いた豆も食べるそうです。
恐怖症?自閉症?何が原因なのか
ボビーの姉を含む家庭4人での様子を映像でみながら、二人の医師が検討を重ねます。ボビーは、食べ物を食べてみたい気持ちもあるけど、どうしても出来ない...とお父さんに打ち明けていました。
ある特定の食べ物しか受け付けない、というのは自閉症にみられる症状ですが、食事以外の生活の様子を見ると、自閉症とは考えられなそうです。
ジャヤラム医師は、ボビーが食べ物を口に運ぶ様子を見て、その行為に不安が伴っている、と指摘します。食べ物を口に入れる感覚や、もしくは食べ物の感触が嫌なのかもしれない。二人の医師の観察は続きます。
結局ボビーは用意された食事には一切手をつけず、チョコレートプディングを6個食べて夕食を終えました。これは、ボビーが、食事を摂らなくても、結局甘いものを食べられることを知っているからなのでしょうか?
では、食べ物恐怖症なのでしょうか?恐怖症=フォービア(phobia)というのは、ある特定のもの(狭いところ、一定リズムで鳴るの音など様々な種類があります。最近だと新しいiPhoneカメラと集合体恐怖症が話題になりました)に極端な恐怖を感じるもののことです。ボビーの様子を見る限り、フォークにさした食べ物を口の中に一瞬入れることは出来ています。その際にパニックを起こしたりはしていません。しかしながら、恐怖症はかなり深刻そうです。一番のフォーカスは、極端に偏ったボビーの栄養状態を改善すること。では、どうすればよいのでしょうか?
医師による面会で見えてきたこと
ラビ医師がボビーとの面会に向かいます。
簡単な身体検査をしますが、歯の状態も含め、大きな問題もなく健康的に育っていると言えそうです。ラビ医師は、心理学者をこのケースに呼ぶことで、困り果てたボビーの両親だけでなく、ボビー本人を助けることができると考えます。
医師との面会
ボビーと両親は心理学者の元へ向かいます。
ボビーの生活に関して、様々な質問をしていくドクター。質問が「どうして食べないのか」に差し掛かった時、ボビーは落ち着きを無くし始めます。そしてついに泣き始めてしまいます。自分が食べないことを話すことは、ボビーにとってとてもチャレンジングなことでした。ここで、ボビーの頭の中で食べられる、食べられないのやりとりが行われていると分かりました。ここから、食べることに対して、ボビーが恐怖を抱いていることが分かりました。
栄養士との面会
栄養士が自宅に面会し、食事についてボビーと一緒に学びます。
診断の時
ボビーとの面会を終えた心理学者も交えて、医師たちがボビーについて相談します。
家族で楽しむべき時間である食事が、辛い時間になってしまっていること。家族全員を呼んで、医師たちが家族に解決策を伝えていきます。
新しいことを試すのがとても苦手
ボビーは新しいことを試すのがとても苦手。それも食べることへの恐怖へと繋がっているのではと医師が指摘。心理学者は、これを"恐怖症"と呼ぶかには懐疑的ですが、ボビーが恐怖を持っていることは確かだと説明。
苦手をまずは受け入れて時間をかけての解決を
家族も含め、まずは状況を受け入れ、これからみんなで協力して解決していくことが話し合われました。8歳の男の子に過度なストレスを与えることは避け、その中でボビーが持つ心配や恐怖心に働きかけ徐々にそれらを減らしていくアプローチをすることに。
セラピストとの面会を続ける中で、下記のようなハシゴの絵が使われました。ボビーが自分で書いたものです。下から順に、抵抗の少ない食べ物からハシゴを登るように抵抗がある食べ物を上に書いていきます。
ボビーはうちに帰ってから、早速この食べ物のハシゴを登ることを楽しそうにチャレンジし始めました。ボビーはタコスの皮を食べることができました!しかし、側で見守る両親は喧嘩を始めてしまい、雰囲気は良いとは言えません。これはよくないわね、とセラピスト。そして14週間後。ボビーは20種類もの新しい食材を食べることができるようになりました!そして新しい食べ物により、ボビーはさらにエネルギッシュに遊びまわるようになった様子。
外食する際にチョコレートの詰まったバックを持ち込んでいたボビーですが、今ではその必要もありません。
シーズン1第一話のもう一人、言うことを聞かない2歳児はこちらからお読みいただけます↓
alwayschooselove.hatenablog.com