Born Naughty? 言うことを聞かない子どもたち【わがまますぎる2歳児】S1E1
前回もご紹介したイギリスのテレビ番組Born Naughty?より、シーズン1第一話に登場するもう一人の子どもを紹介します。
シーズン1第一話に登場する別の子ども【お菓子しか食べない8歳児】はこちらの記事で読んでいただけます。
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コントロールがきかない2歳児
今回登場するのはジェシーというもうすぐ3歳の女の子。ジェシーのお姉ちゃんと、両親の四人家族です。家族は、ジェシーがコントロールがきかず指示が通らないことにとても不安を感じています。二人の医師たちが、映像にて生活の様子を見ていきます。
ジェシーの癇癪は確かに強そうです。叫んだり暴れたりと、食事の席に着くことがままならないことも。また、もうすぐ3歳ですがはっきりとした単語、文章では喋らず、音を出すだけです。
食事はあまり食べず、口の中のものを吐き出してしまうことも多いようです。また、シェアも得意ではありません。
言葉が出ないのは、聞こえていないからかも?
医師たちがはじめに注目したのは、ジェシーの言葉でした。平均的に、2歳前後では言葉の発達が見られルものですが、ジェシーは全く言葉を話しません。言葉を学ぶにはそもそも周りの人が話す言葉が聞こえていなければなりませんが、もしかすると、聴力に問題があり、ジェシーには聞き取れていないのかもしれません。しかし、聴力検査の結果は問題なしと出たようです。
コミュニケーションはとっている
映像を確認しながら、ジェシーは自分なりのやり方でコミュニケーションを取ろうとしているのがわかります。なので、例えば両親が本を取って、など何か具体的な指示を出した時に、ジェシーがそれを理解するかを見たいと医師たちは話しています。
ジェシーがなぜ癇癪を起こすのか、なぜ時には何時間も泣き続けるのか、しっかりとした意思疎通が出来ないことでお母さんはとてもストレスを感じており、涙を見せていました。
医師との面会をへてわかったこと
ジェシーも言葉を使おうとしている
実際に、ラビ医師がジェシーに面会にいき、様子を観察します。幼児に見られる典型的な癇癪なのか、それとも別の理由があるのか。
おままごとなどのごっこ遊びでは、ジェシーには十分な想像力が見られます。人見知りすることなく、ジャヤレム医師と遊び始めたジェシー。観察していくうちに、ジェシーが文章をなんとか作ろうとしていることが分かってきました。また、なんとなく言えていた単語も、六ヶ月前よりはクリアに言えるようになっていることもわかりました。
ジェシーの癇癪がコミュニケーションが取れないことによるストレスから来るものだったとしたら、専門家に助けを求めることができます。
スピーチセラピストとの面会
スピーチ・言語セラピストがジェシーとの面会に向かいます。スピーチセラピストは主に言語のスペシャリストと考えられがちですが、実は彼らは、子どもたちが発する言葉以外の全てのコミュニケーションのプロセスから必要なことを見て取れるのです。
スピーチセラピストの気づき
ジェシーと一緒に本を読むセラピスト。ジェシーは、自分が興味を持ったものを指差して単語を発します。しかし、隣にいるセラピストが実際に同じものを見ているか、とこちらを向いて確認することはありません。また、アイコンタクトはほとんどありません。
また、ブラシ、フォーク、カップなど3歳なら知っているべき単語をこちらが伝えてもジェシーがその言葉を発することはなく、また「ブラシを取って」などの指示が全く通っていません。または指示に全く気づいていないようにも見えます。これは普通ではないと言えます。
ジェシーは会話とは別に、視野の隅の方で周りの様子を伺っていることも分かりました。
上記のような特徴から、ジェシーはただ単に発語が遅れているというだけではないことが分かってきました。
また、お人形遊びをしてみます。真似っこ遊びは想像力を育む大切な遊び。ジェシーはお人形と上手に遊んでいるように見えます。ただ、セラピストが発する言葉をそのまま繰り返していることが分かります。セラピストがいた1時間の間、ジェシーは全く同じことをなんども繰り返していた様子。
遊びに夢中になっているジェシーの背後から、ジェシーの全身を軽くくすぐって見ます。ジェシーは特に反応を示さず、振り返ることはありませんでした。
また、セラピストは学校にも訪問し、ジェシーが冬に覚えた遊びをそのまま春も夏も繰り返していることを知りました。
考えられる可能性
自閉症
100人に1人はいると言われています。社会性を育む時、脳の働きが通常とは異なることにより難しさが出てきます。一般に、コミュニケーションの取り方や態度に特徴が表れます。興味対象が限定的なのも特徴の一つ。また、自閉症を持つ人の90%が感覚過敏を併せ持つと言われている。
幼児が自閉症の特徴を見せることは珍しくない
アイコンタクトをしない、ひどい癇癪を起こす、同じ行動をなんども繰り返す...などの自閉症の特徴として見られる行動を幼児が見せることは珍しくありません。子どもが成長していくにつれて、脳の成長が他と異なる場合は、それが集団の中で顕著に見られるようになってきます。
平均して自閉症の診断が降るのは5歳半で、男子に4倍近く多いと言われています。ただし、女子は周りに合わせたり真似するのが上手い傾向にあり、見つけづらくなっているだけで割合に違いはないとする専門家もいます。女子では10代や大人になって初めてわかることもあります。
診断の時
ジェシーと家族がラビ医師、ハーパー医師の元へやってきます。特に自閉症などの診断を下す時、医師たちは、間違いなくそうであると言えるまでは診断を下すことはありません。もし自閉症だとして、これからジェシーや家族たちが一生付き合っていくこととなるためです。また、より早い段階で診断を下すことは、療育も含めてその後の子供の人生をよりよく変えていける可能性があります。
医師たちとセラピストの相談の結果、ジェシーは自閉症であると両親に伝えられました。ただ、これがわかったことで、学校が始まる4歳までにたくさんできることがあります。診断名がついたことで、専門的な助けを早くから得ることができ、結果家族や本人にとってより暮らしやすい生活が待っています。
長くなりましたが、読んでいただいてありがとうございます^^!