アメリカの子育て/養子縁組情報

アメリカで養子縁組について勉強中。学んだことをシェアしていきます。また、日米合わせて10年以上教育業界に関わってきた経験を元に、海外での子育て事情や子育て番組の情報をシェアしていきます。

赤ちゃんに関する16の"間違った"定説(前編)

 

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今日は、赤ちゃんに関する16個の定説を、小児科医であるハモンド医師と、発達心理学者のプレスマン医師が解説した新しい動画をご紹介します。(2020年2月4日アップロード)

 

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赤ちゃんに関する16のウソ/ホント

より早く歩き始め、話し始める赤ちゃんの方が頭が良い?

早く話し始めた赤ちゃんの方が、後々の言語スキルにおいても伸びが見られることはあっても、遅く話し始めた子たちがそれと同様もしくはそれ以上のスキルを身につけられない、ということにはならないそうです。

歩くことについては、言語とは少し見方が変わってきます。歩くこと、すなわち運動機能においては遅れは察知しやすく、運動機能だけでなくそれ以外にも今後起こりうる発達に伴う問題や遅れを予測するのに役立ちます。したがって、お子さんの歩き始めが遅いと感じた場合は、かかりつけの小児科医に相談して見ることは、とても大切なこと、だそうです。必ずしも早く歩き始めたお子さんの知能が高くなる、ということはないそう。

眠っている赤ちゃんを起こすのは絶対にだめ?

特に、赤ちゃんが産まれてから最初の数週間は、これは間違った定説だそうです。新生児にとって、頻繁にミルクを飲むことはとても大切です。もし眠りが深い新生児の場合は、実際に3〜4時間ごとに赤ちゃんを起こし、ミルクを飲ませる必要があります。

生後5〜6週間で眠りのサイクルができてきますが、それまでの期間で昼間に赤ちゃんが3〜4時間以上寝ている場合は、一度赤ちゃんを起こすことで、より夜間の睡眠も安定してくるそう。

赤ちゃんの成長とともに、昼寝のサイクルも伸ばすことが可能になります。

子守唄で赤ちゃんは眠くなる?

誰もが赤ちゃんに子守唄、というのは知っていることですが、これも実は間違い。ただし、間違いといえばそうですが、完全に間違っている、というわけでもないそうです。

落ち着いた音楽を歌う/流すことで、実際に赤ちゃんや寝かしつけている人の気持ちを落ち着かせる効果はあります。ただし、それをずっと流しているからといって、魔法のように赤ちゃんが眠りにつく、ということではないそう。赤ちゃんを寝かせようと、落ち着いた音楽をかけて赤ちゃんに触れること自体には、赤ちゃんを落ち着かせる効果があります。

昼寝は本当は必要ない?

赤ちゃんや幼い幼児にとって、お昼寝はとても大切です。赤ちゃんを昼間ずっと起こしておくことで疲れさせ、結果夜間にずっと寝てくれるはず!という保護者は時々います。しかし、それをすることによって、赤ちゃんは常に機嫌が悪い怒りっぽい子どもになるでしょう。

赤ちゃんや子どもたちは、お昼寝をすることで、学ぶ能力がさらに向上し、自分自身をコントロールすることを練習していきます。そして一番大切なのは、「眠りに落ちる」ことの練習にもなっているということ。疲れすぎている赤ちゃんというのは、夜間に安定してしっかり眠ることができません。子どもが3歳になるまで、お昼寝は、昼間の子どもの態度、感情的な成長および夜間の安定した睡眠のために、非常に大切な生活サイクルの一つです。

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小児科医のハモンド医師と発達心理学者のプレスマン医師

赤ちゃんは、生後三ヶ月までに夜間通して眠れるようになるべき?

全てのお母さんが願うことね!と二人の医師。赤ちゃんが夜起きるのは、お腹が減っているため。生後四ヶ月までは、赤ちゃんにいろんなことのリズムやサイクルを合わせましょう。生後四ヶ月〜半年になり、ようやく大人側がコントロールを入れてみる、という感じで問題ありません。

ある特定のおもちゃが赤ちゃんをより賢くする?

これは完全に作り話です、と二人の医師。赤ちゃんの知能を高めるのはおもちゃではなく、そのおもちゃで遊ぶ間に生まれる母親もしくはお世話をする人との関わりです。赤ちゃんにたくさんのブロックを与えたところで、その赤ちゃんは賢くなってはいきません。赤ちゃんが産まれてから最初の一年で知能を高めるためにできることは、お世話をする人が色々なものを通して赤ちゃんと交流することです。

おもちゃが一つあって、それについて話したり、それがどんな形や色かを伝えたり。そのおもちゃに関して大人が子どもと一緒に関わることで、赤ちゃんの脳を刺激できます。おもちゃだけを与えて子どもが賢くなることはありません。

また、お子さんと遊ぶときに、大げさな表情をしたり、少し高めの声で(教育番組の司会の方のような)話すことはありませんか?赤ちゃん言葉で赤ちゃんや子どもに話すことは良くない、と言われますが、それと上記は全く別で、とても大切なコミュニケーションの取り方の一つです。たくさんの言葉を使って子どもに話しかけることは、以降の言語能力の発達にとても役立つのです。反対に、ただ「バーバー、あーあー」のような音だけを出すことは、あまりお子さんの知能の発達には関係ありません。ただし、お子さんと関わる上でそれがとても楽しく、有意義な時間と感じられる場合には、お子さんと一緒に楽しむ上で問題はないそうです。

赤ちゃんを跳ねさせるとO脚になる?

結構これを心配する親は多いそうです。が、そもそも赤ちゃんは、胎内にいるときに脚をクロスしている状態のため、産まれてから両足が内側に向いているような感じに見えるのはごく自然なことだそう。そして、多くの赤ちゃんは両足で立ちたい、という本能を持っています。そのため、赤ちゃんを抱えてジャンプさせることは、赤ちゃんとのコミュニュケーションを取れるだけでなく、赤ちゃんが立ち、歩くために必要な筋肉の成長を助けているそうです。また、赤ちゃんの腰が座るまでは赤ちゃんを座らせ流べきでない、という人もいますが、これも間違いだそう。

一つだけ注意して欲しいのは、ジャンパーと呼ばれる器具は、歩くための筋肉やバランス感覚の成長とは無関係だそうです。さらにいうと、ジャンパーを使うことで赤ちゃんたちは下に重心を、というより上に向かってただジャンプするだけになり、ほとんどの場合つま先を使い出します。つま先を使うことは多くの専門家の間では推奨されていません。

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写真の器具がジャンパーです

過剰な泣き方の時は赤ちゃんに異変?

赤ちゃんが異常な泣き方をするとき、まず初めにすべきことは、かかりつけ医に相談し、医療的な問題が何もないことを確認することです。そして、食事、排泄にも問題がないことまでわかったとき、考えられる理由のうち大半は、赤ちゃんが自分で落ち着く方法が分からなくなっているということです。特に、生後3週間〜6週間は最もぐずる時期とも言われています。

日本では黄昏泣き、に聞き覚えがある方もいると思います。(英語ではコリックといい、世界共通です)黄昏泣きの定義としてハモンド医師があげたのは、

・最低でも一日3時間、週に3日以上、3週間以上の激しい泣きが続く場合

です。例えば、実際に赤ちゃんを抱き上げて、優しく揺すったり撫でたり、それで泣きが治ったところでベットに下ろすとまた泣き始めた・・・ということもあるかもしれません。しかし、抱き上げて落ち着かせている間は泣き止んでいるということは、他に特別に痛い所や不快感のあるところがない、ということでもあります。1時間以上赤ちゃんが泣き続け、何をしても変化がないときは、医師に相談しましょう。

多くの場合、赤ちゃんや幼い子供達は、自分を落ち着かせたり、気持ちを切り替えることを、成長を通じて段階的にできるようになっていきます。なかなか泣き止まない赤ちゃんをあやすことはとても大変で、終わりがないようにも感じることです。しかし、赤ちゃんを落ち着かせようと寄り添うことは、長い目で子供の発達を考えた際、とても大切で、あとで必ず生きてくることなのです。

 

後編に続きます!