アメリカの子育て/養子縁組情報

アメリカで養子縁組について勉強中。学んだことをシェアしていきます。また、日米合わせて10年以上教育業界に関わってきた経験を元に、海外での子育て事情や子育て番組の情報をシェアしていきます。

無料の食事配給に行ってみました! in NY

先日、ニューヨーク市が提供している無料の食事配給サービスを利用してみました。

前回のブログで、ホームレスの人と無料配給の話をしたのをきっかけに、実際どんなものだろうと興味を持ったのが利用のきっかけです。

 

alwayschooselove.hatenablog.com

 

自宅から徒歩3分のところに一つ配給所があったので、様子だけでも見てみようと行ったところ、大行列を予想していましたがなんと誰もいませんでした。そこで、実際に食事を利用してみることにしました。

どんなものだったかをレポートします!

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給食が食べられない子供達のために

ニューヨークの無料配給(フードハブ)とは

2020年4月末現在で、平日の朝7時半から午後1時半まで、学期中は無料で朝食と昼食を受け取れるサービスです。ニューヨーク市の教育部門が主導で行なっています。

フードハブ(Food Hub, 配給所)は現在市内400箇所以上にあり、小学校や高校に設置されています。

身分証や事前の登録など一切必要なく、その場に行って、もらってくるだけになります。ニューヨーク市のウェブサイトは、「誰一人としてその場で受け取りを拒否されることはありません。」と明確に示しています。食事ができるスペースはなく、完全にGlab-and-Go(取りに行ってそのまま帰る)スタイルです。

最初は子供のためだけにオープンしていましたが、ニューヨーク州アメリカにおける最大の感染地となり、自宅待機が延長されるにしたがって失職率も爆発し、その結果大人たちでさえ食事に困るようになりました。そこで現在は、混乱を避けるために、

7:30 - 11:30 (子供のピックアップ時間)

11:30 - 13:30 (大人のピックアップ時間)

と決められて、大人向けにも食事を配っています。もちろん大人が子供の分を朝取りに行っても構いませんし、子供が遅れてきてもokです。(ニューヨークでは、12歳以下の子供は保護者同伴でないと外出できません。また、買い物も代表者一人でするよう言われている状況なので、その意味でも、家族の分をまとめて持ち帰ることができます。)

ニューヨーク市のウェブサイトより、住所から自宅近くのフードハブを検索できます。また、朝食と昼食のメニューもサイト上で公開されています。ちなみに、私の自宅徒歩10分圏内で2箇所ありました。私が住んでいるのは、ファミリーや若い人が多い中流階級くらいまでの人たちがいる地域と、昔から住んでいる低所得者の人たちの住む地域のちょうど間くらいの場所です。私が取りに行った時に全く人がいなかったのは、独身の若い人たちが多い方のエリアの配給所に行って見たので、そう行った地域性も少しあるのかな?と思いました。

ニューヨーク市のサイトです⬇︎

www.schools.nyc.gov

 

3月半ばには親子のサポート体制ができた

ニューヨーク市のPAUSE政策(pause : 一時停止の意味。生活に必要不可欠な事業を除く全てのビジネスを停止し、市民に自宅待機を求める政策)が発令されたのは3月22日でした。正式に施行される数日前から自宅待機を求める発表がされていたので、今日4月27日(ニューヨーク時間)ではすでに50日以上がたったことになります。

この結果、全ての公立学校はオンラインクラスへ移行することが決まり、デバイスを家庭で準備できない場合は市から借りられるなど、行政は早い段階から対策を講じて来ました。

こう行った状況の中、一日の食事を学校給食に頼る子供達のために、ニューヨーク市は食事の無料配布をはじめました。3月15日の時点で無料の食事配布が決定しており、PAUSE政策の始まる3月23日以降の平日には実際にサービスがスタートしました。

また、同時に、ファーストレスポンダー(警察官や消防士など、緊急時に真っ先に駆けつける職業の人たち)や医療関係者向けには特例として子供を預けられる保育サービスもスタートしました。

ニューヨークで最初の感染者が確認されたのが3月1日のため、約2週間で次々と対策が決定し、3週目にはスタートするという、各州、市の自治権の幅が広いアメリカならではの素早い動きでした。

宗教や思想を尊重した選択肢も用意

人種のるつぼ、と言われるニューヨークですが、住んでいる地域によってカラーは本当に様々です。特に公立小学校は、住んでいる住所によって通学できる学校が決まるため、通りを挟んだ向こう側とこっち側で、それぞれの学校の生徒たちのバックグラウンドは全く異なることになります。

少しでもより良い環境に子供を入れるため、友人に住所を借りたり(公共料金の支払いを自分の名前にしてもらったり)する人もいます。チャータースクールという民間と公立の中間に立つ学校、私立の学校ももちろんあります。

その中で、この無料の食事配布には、下記のオプションが用意されています。

ベジタリアンミール (Vegetarian Meal)

・ハラルミール (Halal Meal)

・コーシャーミール (Kosher Meal)...一部の地域のみ

・上記のような指定なし

 

ベジタリアンミールとは

肉や魚など、動物性の食品を使わずに調理された食事。ニューヨーク市が提供しているベジタリアンミールには、ヴィーガンのオプションはありません。ヴィーガンは、卵やバターなどの乳製品を含む全ての動物性を除いた、完全植物性の食事です。

・ハラルミールとは

イスラム教において食べて良いと決められているものです。豚肉に関する全ての食材(エキスなども含む)が除かれていて、他の肉でも決められた方法で処理されたものしか食べることはできません。ハラル自体には、他にもアルコール不可などの細かい規定あり。

・コーシャーミールとは

ユダヤ教において食べて良いと決められているものです。ユダヤ教では、甲殻類ヒレとうろこがついていない魚介類は全て食べることができません。また、同じ料理の中に乳製品と肉を両方使ったり、肉と魚を両方使うことができません。コーシャーには、その他ごく一部の鳥類だけがokなどの細かい規定あり。

実際にどんな食事だったのかレポート!

それでは、実際にどんなものものが入っていたのか写真でお届けします。

まず配給所に到着すると、え?ここ?みたいな、(何しろ外に誰もいないし表示等もなかったので)それで恐る恐る高校の入り口の扉を開けて中に入りました。

すると、2枚目の扉の前にテーブルと、その上にカゴが設置されていて、Kids(Breakfast)、Kids(Lunch)、Adults(Breakfast)、Adults(Lunch)の4つの種類に分かれていました。施設内には入らずに済むよう、机が入り口をブロックしている感じです。

係りの人に、「誰用の食事ですか?」と聞かれて、「大人一人です」と言うと、大人用の方から食事を持っていくよう言われました。子供用を取りに来る親御さんもいるので、そのための確認のようです。朝食か昼食か、どっちかだけでも良いよとも言われました。

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朝食、昼食と2袋もらってきました!
朝食の中身

こちらが朝食の中身です。見やすいように画像の色を少々変えています。

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結構いっぱい入っています!

シリアル一杯分、コーンブレッドマフィン、牛乳、チーズ1本、りんご、フルーツジュースが入っていました。

昼食の中身

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サンドイッチ1個、カップ入りのハムス2個、牛乳、ピーチゼリー、サンドイッチ用のマヨネーズとマスタードが入っていました。画像だと分かりにくいですが、サンドイッチはりんご2個分くらいの大きさで十分な量でした。市のホームページ上で、メニューは”野菜”となっていましたが、この日はハムスが入っていました。栄養価も高いですし、すごい!と素直に驚き。美味しいですし。

感想

アメリカちっくなスクールランチを想像していましたが、思ったよりはヘルシーな印象です。この日は生野菜が入っておらず野菜はハムスのみでしたが、別の配給所を試した時はベビーキャロットが一袋入っていました。メニューは3パターンくらいがローテーションで、それもたまに変わるようです。

味ですが、正直とても美味しかったです!この日入っていたものは、全部美味しかったです。個人的には、ハムスとコーンブレッドマフィンが特に美味でした。

サンドイッチの中身はチーズとハムのみでしたが、パンも具材も柔らかく、それ一つでお腹いっぱいになりました。

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りんごや牛乳は冷たくてきちんと温度管理されていました。また、ピーチゼリーはまだ凍っていました。

 

別の日のメニュー

最後に、別の日に違う配給所も試して見たので中身の写真を載せておきます。

この日も、朝食と昼食を一袋ずつもらいました。

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どちらも朝食っぽいですね!この茶色の箱のチョコレートミルクとても美味しかったです。

フードハブ以外の食料品サービス

市より提供される無料の配給以外にも、食材などを無料で受け取れるサービスがあります。

・外出できない人向けの食材デリバリーサービス

こちらも市が提供しているサービスで、家族内に誰も買い物に出られる人がいなかったり、一人暮らしで身体を思うように動かせない人のためのものです。事前に登録が必要で、上記のようなサービスを受ける条件を満たしている必要があります。最大で二日に一回配達を受け取ることができます。

 

・フードバンク

この新型コロナウイルスの流行前より、アメリカにはNPO団体などが運営するフードバンクというシステムがありました。牛乳やパン、パスタや野菜など、生活に必要な最低限の食材を無料で受け取れるサービスです。ウイルスの流行により多くの団体が、寄付金不足や従業員の安全上の理由から閉鎖を余儀無くされていますが、それでも活動をしている団体はいて、アメリカ各地で長蛇の列ができていると言われています。

www.youtube.com

こちらはフードハブに関するニュースです。↓

www.youtube.com

 

今回は長くなりましたが、読んでいただいてありがとうございました!