アメリカの子育て/養子縁組情報

アメリカで養子縁組について勉強中。学んだことをシェアしていきます。また、日米合わせて10年以上教育業界に関わってきた経験を元に、海外での子育て事情や子育て番組の情報をシェアしていきます。

講義②”国際養子縁組の近況” / APC(養親向け)講習会 2023/5

前回に引き続き、APC(養親向け)講習会のレポートです。

 

alwayschooselove.hatenablog.com

 

国際養子縁組(アジア圏)の近況

講師を務めたのはHolt Internationalという、養子縁組以外でも様々な社会貢献を世界中で行なっている非営利団体社会福祉士、サマさん。

www.holtinternational.org

 

ホルトでは、アジアに限らず南米などでも子どもたちの支援を行なっており、アメリカでは国際養子縁組の先駆けとなった団体と自負しているようです。

今回取り上げられた国は下記になります。

・中国

・韓国

・フィリピン

・タイ

・台湾

・香港

 

コロナ禍以降、それぞれの国で渡航制限や感染対策に違いがあり、それに大きく影響を受けた国際養子縁組は、その状況が完全に元に戻ったとは言えません。サマさんのそれぞれの国への解説を書いていきたいと思います。

 

※参考記事

alwayschooselove.hatenablog.com

 

国として養子縁組専門の部署を構えるアジア諸国

全体の講義を通じてわかったのは、アジアのどの国も養子縁組を扱う部署が政府内にあることです。

国内、国外の割合など細かいことはわかりませんが、少なくとも国外へ、国際養子縁組として出ていく子どもたちを管理する部署はあるようです。

私自身でも修士論文を書いたときに調べましたが、韓国では国が養子縁組のデータ管理をしています。一方日本政府は、国際養子縁組への出国を把握していないことが問題視されています。

www.yomiuri.co.jp

日本総務省と米国国務省が把握している件数にも、出入国で相違があると言われています。

 

日本国内外に関わらず、養子となった子どもたちが大人になり、いざ自分の出自を知りたいと思うとき。情報開示の仕方、それに伴うサポート環境、何も決まっていない日本はどうなんでしょうか。

 

中国の近況

少し話が逸れてしまいました。それでは、国際養子縁組の近況について書いていきます。(米国との間における国際養子縁組の場合です)

 

まずは、中国の近況について。

中国は、これまでずっと、世界で最も養子を海外へ出している国の一つでした。現在の国際養子縁組の方針は..."Open, but close"。開いているけど開いていない、そうです。

 

国として、国際養子縁組を公に再開はしていません。

ただ、中国からの案件を進めているあっせん団体はあるようです。それも、新しい申し込みを受け入れているわけではなく、以前からのものを粛々と進めているよう。

特に講師のサマさんが働くホルトでも、中国からの縁組申し込みは現在受け付けていません。

 

韓国の近況

ご存知の方もいるかと思いますが、韓国戦争以降たくさんの子どもたちが韓国から海外へ養子に出されました。海外で育った子どもたちが、韓国で裁判を争い出自の権利を求めたり、移民の手続きが正式に行われておらず、言葉すらわからないまま韓国に戻されてしまうケースなど、様々な問題が報道されています。

 

最近の子どもたちのプロフィールは、そんなに以前とは変わらず年齢は割と低め、大きな障害のない子どもたちが多い印象だそうです。

 

ここ最近では、韓国政府が養子縁組手続きにおいてもう少し介入する移行を示しており、国内での縁組をより推進しようとしているそうです。

日本も、国内での動きに力を入れていますね。

 

ただ、私の修士論文の調査時、韓国政府から派遣されていた同級生に話を聞いたところ、養子縁組はかなりセンシティブな話題で、日本よりもネガティブなスティグマがある印象を受けました。今後、韓国政府がどのように国内で縁組を促進していくのかに注目したいです。

 

また、国内縁組が進むと、障がいのある子どもたちが、より国際養子縁組に流れるのではという懸念も出ているそうです。

日本国内でも、障がいのあるお子さんの縁組にはまだ高いハードルがあると感じますし、一方のアメリカでは、その障がいが「そんなものなんだ」と言われてハードルがガクンと低くなる印象もあります。

中国・台湾から多くの子どもたちをアメリカへ縁組している団体の方は、95, 96%以上が障がいのあるお子さんだとおっしゃっていました。(これも修士論文のインタビュー時。)

 

 

もし障がいのあるお子さんがずっと家庭環境を知らずに自国内で過ごすなら、そしてマッチングする家族が海外にいるのなら、子どもにとってどれがベストなら、、?と考えずにはいられません。もちろん障がいの種類にもよると思いますが、いつでも、その子どもにとってのベストになるように、と強く思います。

と言っても、周りの大人たちが考えうる中でのベスト、なので、決めるのも難しいですが。

 

また、中国と同じく、多くのあっせん団体が、まだ韓国への新規申し込みを受け付けていないそうです。

 

フィリピンの近況

傾向としては、月齢の低い子どもたちの多いフィリピン(サマさんの印象)。

これまでICAB: Inter-Country Adoption Boardだったものが、NACC: National Authority for Child Careと体制を変えて養子縁組を取り扱っているフィリピン。

 

今年、2023年2月、フィリピンでは新しい養子縁組案件に関する書類、特に0歳から6歳までの子どもたちとの縁組許可がおりている家族からの書類受付を一旦停止しました。

これにより、最初の手続きから縁組が完了するまでの時間は4-5年と伸びることに。

 

 

タイの近況

タイからの養子は、比較的月齢の低い0歳から3歳頃までの子どもたちが多く、健康で、大きな働きかけの必要のない程度の障がいのあるケースが多いようです。

 

タイは、国として定めているガイドラインがとても厳しいそう。

ホルトでは、通常縁組と、障がいのある子どもとの縁組の2種類で運営しているそうです。

 

最初の手続きから縁組締結までは、2-4年間が目安。

また、最近新しくできたルールとして、シングルマザーが承認されるのに、事前に健康診断の提出が必要になりました。BMIも指定があるそうです。この事前承認にかかるのが、大体12-18ヶ月だそうです。

 

台湾の近況

中国本国とは別ルールで縁組が行われている台湾。縁組に関わるルールや規定も中国のものとは異なります。

 

台湾には4つの養子縁組団体があり、海外のあっせん団体は、4団体すべて、もしくはいくつかの団体と繋がることで縁組を進めています。

4団体は下記。

 

・Cathwel

・Good Shepherd Welfare Foundation

・Garden of hope

・Child Welfare League Foundation

 

このうち、Good Sheperd Welfare FoundationとGarden of Hopeは、養親候補に複数回の訪国を規定としているようです。最終的に子どもを迎えにいくときだけでなく、事前に何度か国を訪ねておくことを大切にしているそう。

 

多くのケースで、これら4団体は子どもたちの生みの親たちの情報を持っているようです。一方中国では、何も分からないケースも多いです。

全体の手続き自体は2-3年で、実際にマッチングが起こってから手続きを開始するまでが12-18ヶ月が平均。

 

台湾の縁組で特徴的なのは、生みの母親の希望を裁判所で表明する機会があることです。

このようなことを大事にしてほしい、など母親が希望を伝えることができます。このような養親には渡したくない、という希望が出る場合もあるそう。

 

香港の近況

香港もまた、中国とは別のルールのもとで養子縁組を行っています。サマさんによると、香港の縁組はまさに”ジェットコースター”。

 

縁組の取り扱いは全て、Central Adoption Authority of Social Welfareによって行われ、全ての決定事項もこの組織が行います。(内情は今わからないですが、日本もこのくらい「中央でしっかり縁組管理します!」という感じの組織が必要だと個人的に思います)

 

香港では、直接的な子どもの推薦は行われません。

世界中のあっせん団体は、自団体に登録している養親候補をあくまで’推薦’するのみ。そのため、ほぼ競争のようになっているかもしれない、とサマさん。

 

最初の推薦から縁組につながるケースはほとんどなく、2, 3回と回数を重ねるのが一般的だそう。家族が広東語を話すか、香港にルーツのある家庭の方がよりマッチングしやすいそうです。

 

また、子どもたち、社会福祉士を含む縁組に関わる人たちは、国際養子縁組に対して準備がしっかりできているそうです。自分達の置かれている状況と、今後の流れについてしっかりと把握している印象だそうです。

 

まとめ

国際養子縁組において大事なことは、子どもに障害がある場合にも受け入れ態勢があることだそうです。障がいのあるケースが多い国や、子どもや親の病歴が不明で分からないケースなど、様々な「分からない」に直面するケースが多いようです。

 

子どもの年齢は、幼児から10代まで幅広く、男の子の方が多い傾向にあるそう。また、きょうだいグループがいる場合もあるようです。

 

国際養子縁組の代表的な流れは以下。

①Application (申請手続き開始)

②Homestudy (家庭調査)

③First USCIS application (最初の米国移民局の手続き)

④Dossier (情報をまとめた書類提出)

⑤マッチング

⑥縁組代金の支払い

⑦Second USCIS application (2回目の米国移民局の手続き)

⑧Travel (渡航)

⑨Post-Placement (縁組)

⑩Finalization (縁組の法的な最終手続き)

 

全ての手続きを始める前に、養子縁組家庭や団体との関わり、様々な場所からの情報収集をしてからステップを進めることが大切とのことでした。

 

※タイ、フィリピン、香港では、各国内での最終手続きは行わないそう。そのため、これらの国から縁組を行った場合は、最終手続きは米国内で行うことになります。

 

次回は、「身近な人や親族に縁組のことを話す」というテーマの講義についてレポートします。

講義①”オープン養子縁組” / APC(養親向け)講習会 2023/5

 

最近のはなし

なんだかもう毎回驚いている気もしますが、前回の投稿からまた一年以上経ってしまいました。

時の流れの速さと、大学院生活の充実度に満足する気持ちの間にいます。

 

2022年秋学期に修士論文を描き終えたため、2023年春学期は、課外活動により集中することができました。New York Birth Control Access Projectという活動の一員になり、NY州議員の人たちとの面会や法案成立に向けての活動をしたり、(避妊薬へのアクセスへのハードルを下げよう、もっとたくさんの人たちに行き渡るようにしよう、という主旨です)

 

Green Chimneysという団体でボランティアをしたり、(障害やトラウマで地元の学校に行けなくなった子供たちを、幼稚園から高校生まで受け入れている学校です。牧場の真ん中に校舎と寮があり、動物や植物との触れ合いを通じたアプローチを行なっています)

 

インターン先で色々な経験をさせてもらったり。

 

2023年前半は駆け抜けてきた感があります。

 

久しぶりの対面勉強会!

そんな中、所属する団体Adoptive Parents Committee (略:APC)の勉強会がこの日曜日に開催されました。いつもは毎年一回、11月の開催ですが、今回は対面で5月に開催。

コロナ禍以降、最初はオンラインで、次はオンラインと対面を組み合わせて、とイベントを継続してきていたAPCですが、今回は完全に対面での開催でした。

会場となったSt. John's University。NY市街からかなり離れた場所にある私立大学です。

市街地に校舎が点在する自分の大学院とは違い、広大な敷地に米国大学感を感じました。
映画で見るようなフットボール競技場などもありました。そして、さすが私立大学、設備が綺麗でお金がかかっていそう!何より教室内でサイレンなんて全然聞こえず静かでよかった。

講義① オープン・アダプション

最初に受けた講義は、”Open Adoption (オープン・アダプション)”

アダプションとは、養子縁組のこと。オープンアダプションの正確な定義は、養親と生みの親との間がお互いに名字・住所・連絡先を知っている状態だそうです(会場にいた弁護士談)。

 

日本でも最近、オープンアダプションの流れができている様ですね。

アメリカも、成立背景は違えど全く情報のない状態からオープンアダプションへと舵を切り返した歴史があります。(この辺りは、当時の米国政治や世論が大きく関わっているのでここでは割愛します。)

 

この講義の講師を務められたのは、社会福祉士として数多くの養子縁組に関わってきたエレンさんと、弁護士として、また自身も養親としてたくさんの縁組家庭に関わってきたジョニさん。

彼女たちの話していたことを下記にまとめます。

 

オープン・アダプションで大切なこと

・もしオープンアダプションが嫌なら、それはそれで良い

・縁組過程、縁組後も、全てを”法律的に”管理すること。

・例えば、生みの親と急に連絡が取れなくなって、数年後帰ってきた時に裁判所で親権を訴えられたら?誰もそんな状況には陥りたくない。そのための法律的な管理。ルールを決める。

・生みの親、養親、全員に弁護士がついていて、どの人も自分の意思に反した合意をしないことや、全員がその縁組に対して共通した認識を持っていることを確認すること。

約束事は最小限に。結果的に与えられるものが大きくなるのは良い。

無理して大きく約束して、できなかったときに関係者みんなが傷ついたり、嫌な思いをする。

 

・自分達の’ここまでなら良い’という境界線を決めること。

・最初にしっかりした基盤を決める。時間の流れと共にルールが変わることもあるし、それはそれでok!お互いに居心地が良くなれば、変わっていくこともある。

・全てを記述で残すこと。(NY州ではPACA:Post Adoption Contact Agreementとして、縁組の同意内容を全て書面で残すことになっています。一方ですぐお隣のNJ州では、PACAは義務付けられていません。)

※PACAについては講義④に記載します。

 

なんでもしっかり書面で残し、訴えることへのハードルが低いアメリカ、という感じがしますね。個人的には、感情を大きく揺さぶられる案件だからこそ、気持ちに流されて曖昧なままにせず、土台をしっかり決めるのは大事で必要なステップではないかと思います。

 

 

そして、講師の二人が強く伝えたいと言っていたのは、

「生みの親に対して、超えてはいけないラインを守ること。」

 

縁組後も関係性を続けていくとして、慎重に、かなりゆっくりしたアプローチをしてほしい、ということでした。よく養親が口にするのは、

「でも私たちは親友なの!」「まるで姉妹みたいで…」

という言葉たち。

 

でも、そうじゃない。

 

生みの親はあなたの赤ちゃんを産んでくれたんだから、愛着や親近感が生まれるのは当然。でも、彼らもまたいろんな心理状況にあって、理解が追いついていないこともある。

相手を尊重して、ゆっくりと、自然に生まれていく関係性を大切にしてほしい。

 

 

変わっていく気持ち、それぞれの事情

ここで、実際にあった縁組の一例を紹介します。

 

妊娠した彼女はNYの由緒ある家系の娘さんで、容姿端麗、成績も良く大学生でした。妊娠には32週目まで気づいていなかったそう。(気づかないなんてあり得るのか、という声も聞こえてきそうですが、本当にあることなんだそうです。)

久しぶりに娘に会った母親が膨らんだお腹に気づき、家族は大急ぎで堕胎手術ができる病院を探したそう。それでも堕胎は難しく、結果養子縁組に子どもを託すことに。

 

最初のうちは、産む本人も含め、誰も赤ちゃんとの繋がりを求めていなかった。世間に事実を知られることを恐れて、病院での保険の利用さえ拒んでいたそうです。

 

でも、縁組が成立した後、初めて生みのお母さんが赤ちゃんの写真を見たとき、彼女の中で何かが変わった。当時まだ彼女はカウンセリングを受けていて、当時も今も養子縁組を専門とするカウンセラーは少ない中、彼女はだんだんと赤ちゃんとのつながりを求めていくように。

 

生みの親側の両親、祖母は大反対で、結果的に生んだ彼女が養親との狭間に立たされる状況になってしまった。

 

それでも、徐々に全員が変わっていって、少しずつ歩み寄って行って、2年後にはみんなが納得する形で今後のお付き合いを継続していくことになったそうです。

 

プライバシーのほぼ存在しない世の中で、どのように安心できる関わり方を探すのか

以前twitterの方では発言したかもしれませんが、現在では、23andMeやancestory.comのように、簡単な唾液の摂取などから、自分の遠い親戚や知らなかったきょうだい達を見つけられるサービスが存在しています。

 

アメリカでは精子卵子の提供も行われており、自分の知らないところに血のつながった誰かがいる可能性があるのです。もちろん、養子や里子に出された子どもたちが家族と繋がる可能性もあります。

 

ソーシャルネットワークで個人情報もあらかたわかる時代に、どのくらい関わっていくのか決めることは、とても大切なことです。

 

共有するのは連絡先だけなのか、写真や手紙、プレゼントのやりとりは?面会の頻度、時間は?贈り物や連絡は直接するのか、誰か第三者(弁護士は縁組団体など)を通すのか。

また、いろいろな関わりを何歳まで続けるのか?

 

人によっては、かなり細かいところまで決める人たちもいるそう。ここで、約束事は最小限に。という前述のポイントが出てくるんですね。

無理して年に4回の面会を設定して、それが達成されなかった時、一番傷つくのは誰でしょうか?また、子どもの年齢によっては、状況がうまく飲み込めず、もう少しペースを下げた方がいいこともあるかもしれません。

 

そして、アメリカではありがちですが、例えば養親に新しいパートナーができたり、生みの親に新しいパートナーができた時。基本的には、面会にはパートナーを連れてこられません。

子どもを混乱させるだけだし、何よりも、縁組の同意は生みの親本人、子ども、養親の間での取り決め。祖父母であっても、入り込むことはできません。

もし祖父母が関わりを希望する場合は、具体的に同意書に記載が必要です。

 

そして、裁判所はいつでも、子どもにとってのベストを最優先に判決を出します。法的に結んだ同意書に変更を加えて、また新しく親権者として加わりたい場合などには、裁判所の許可も必要です。自分の生活に起きる変化(婚約、結婚、引っ越しなど)はお互いに共有した方が良い、とのことでした。

 

次回の講義は、「アジアにおける国際養子縁組の近況」についてです。

 

alwayschooselove.hatenablog.com

 

 

"こうでなければ"がどんどん減ってく話

 

まあ驚きの、1年以上もブログを放置するという、3日ならぬ瞬間坊主ぶりを発揮してしまっていました。よくよく見たら、記事の下書きはいくつかしてありましたが...(という言い訳)

皆さんお元気でしょうか:)

 

2020年秋学期から米国大学院に入学し一年半を経て、今学期からはより具体的な政府系、非営利組織系の経営に関して突っ込んだところを勉強できていて楽しいです。

 

さて、先週末、祝日の週末だったためいつもより課題にも追われず時間に余裕のあった私は、ネットサーフィンという幸せな時間を過ごしていました。そしてふと、衝撃的に上手いダンサーの映像を見つけてしまいました。

もう、音の取り方やシルエットが激好みすぎて「……!!!!!!」となってもうそこからずっとソワソワと、ダンスのことしか考えられなくなって鏡の前でもぞもぞ。

 

そしてもう翌日にはダンススタジオの予約を入れて、黒人の先生のレッスンを受けに行ってました。笑

 

 

結果。

楽しかったーーーーー!!!!!!レッスン開始後の爆音とかリズム取りからもうニヤニヤが止まらなくて、本当に幸せでした。何年も踊っていない身体のダメージは凄まじかったですが。笑 全然思うように動けなくて悔しかったけど、それ以上に踊る楽しさで興奮が止まりませんでした。

 

15歳くらいからダンスを初めて、hiphopを踊るのが大好きでした。10年くらいは続けてたと思います。でもNYに来た後は辞めてしまいました。いろんな理由とか言い訳があったと思う。

だけど久しぶりに踊ってみて楽しくて楽しくて、ハッピーなバイブの先生だったのも大きかったと思うけど、何より「なんで私はこんなに大好きなことを今までやってなかったんだっけ??」となりました。笑

 

私には今夢があって、将来もっと養子縁組について日本で知ってもらって、アメリカと日本の情報の橋渡しをしたり、日本で包括的な非営利組織を作って養子縁組に関わるなるべく多くの人たちへの居場所や情報提供をする場所を作りたい、と思っています。

 

でもこの夢も、NYへ来た当初から持っていた夢ではなくて、いろんなことが重なって出会ったものの中から、自分の心が動かされる、一番情熱を感じられることがそれだった、という感じです。

 

その夢はこれからも追いかけていくとして、でもそれ以上に、これまでの数年間、私は何のために、誰のためにいろいろなことを我慢してきたんだっけ?どうして大好きなことをやってなかったんだっけ?と今回のダンスレッスンを経て強く感じました。なんでも良いんですけどね、洋服爆買いとか友人とダラダラなんでもない話で夜更かしする、とか。要は自分を必要以上に律してきたんじゃないかと。

 

「いつか来る幸せな日のために、今は我慢する。」

何だか、一体いつ来るのかわからないその日のために、退屈な方、自分以外の誰かに納得してもらえる方、認めてもらえる方を選んできてたんじゃないのかな。

 

運よく今日まで生きてこれたし、NYで一人で生きていくのは本当に"サバイバル"で、でも形としてまだ何も残せていないし焦ってる。だけど形を残すのは誰のため?サバイバルしてきた自分、積み上げてきたはずのものを忘れて、「自分でよかった、この道を選んで歩いてきてよかった」って胸張れない、「ああすれば良かった」の後悔たちが湧き上がってくる。

 

自分の弱いところとか苦手なこと、好きになる必要はなくても見つめてみたり受け入れるのって本当に難しいです。

元々白黒はっきりさせたい企業型人間だった自分は、いま物事や自分、他人の余白(グレー的な部分)を受け入れる練習をしてる感じです。日本にいた頃よりはゆるくなったと思うけど、まだまだです。

アメリカでは、血液型より星座で性格を話すことが多いんですが、私はもうまさにtextbook Virgoって感じで、100%正義感と潔癖maxの乙女座でした。笑

 

でも、自分が「こうじゃなきゃいけない」って思ってることなんて、場合によっては誰かに監視されてるわけでもないのになんでそう思っちゃうんでしょうか?笑

 

"常識"の幅が広すぎるアメリカでは、相手に同じレベルを期待するなんて労力の無駄だし、そもそも文化的にも時代的にも常識なんてどんどん変わってく事を日々実感すると、ますます「こうじゃなきゃダメ」が疑わしくなってくるという。笑

 

ユヴァル・ハラリ著「サピエンス全史」にも影響されてますが、アメリカ生活と合わせて、だいぶ緩まってきた感じです。

www.kawade.co.jp

 

要は何が言いたいかというと、日本人だと特に感じていそうな日々のプレッシャー/社会的概念って、崩れても良いし、変わって欲しいところもあるな、ということです。

養子縁組を知ってほしい理由はそこにもあって、「育児はこうでなくてはいけない」「家族はこうあるべき」「理想の家族ってこう」「普通の家族なら〇〇なはず」そういうものがゆるまっていったら良いなと思っています。特に家族の扱いや倫理の部分は、学校のカリキュラムやメディアの描き方も変わってってほしい。

 

いろんな家族の形があるし、子供がいてもいなくても、結婚していてもいなくても、ただ一つの"正解"があるわけじゃない。(子供がいる場合は子供にとってベスト、を目指したいです)

 

自分とは違う他人を受け入れる受け皿とか、許容量とか、そういう物が社会全体としてもっと大きくなっていったら良いな。

 

日々そういう風に思っています。

 

そしてそういう許容量って、各々が普段どれだけ自分を楽しませる、緩める瞬間を過ごしているかとか、楽しい/緩い時間を持つことで生まれる余裕を感じたり、自分や他人を許せるスペースを持っているかによるのかなって思います。そうやって周りを見渡す余裕とか、受け入れる余裕、知らないことを知ってみる勇気とか。

 

自分自身に対しても葛藤があるし大人としてどうなんかなって思う瞬間もありますけどね。

頑固で意地悪なおばあちゃんにだけはならないように、と思いながら生きています。笑

 

しっかりメイク落としてゆっくり寝て、また明日1日を過ごしたいと思います。

NYは夜です。

 

おやすみなさい。

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コロナによる渡航制限と国際養子縁組への影響

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前回のアップが7月だったことに驚愕しています。

皆さんお元気でしょうか?未だ新型コロナウイルスの余波に苦しむ世界ですが、季節はすっかり秋になり、肌寒い日々となりました。

 

いまだに混乱が続くニューヨーク

ニューヨークでは、レストラン店内での飲食が一部可能になったり、少しずつ、なんとか経済活動の再開へと動いています。

しかし、多くの小規模レストランは閉店してしまい、エンターテイメントも来年春まで中止が決定しています。不動産の契約率は6割減とも言われており、州外へ引っ越した人もかなりいる様子です。今遊びに来ても何にもやることないですね!!

 

ニューヨークの一部の地区では陽性率が4%を超え、宗教の要素も絡まって、行政と民間、市民それぞれの足並みは正直全く揃っていないという感じです。4%を超える地域は「レッドゾーン」として区切られ、学校は再び閉鎖、レストランも店内飲食はできなくなってしまいました。

 

※詳しく知りたい方は、orthodox jew(オーソドックス・ジューイッシュ)とかで検索するとニュースが出ると思います。

ユダヤ教の中でもかなりルールが厳格で、自分たちのコミュニティーの内部だけで生活している方達です。学校での教育などもオリジナル(アメリカには、国で定めた日本の指導要領のようなものがないそうなので)Netflixでもドラマやドキュメンタリー作品がいくつかあるので、興味のある方は見てみると面白いかもしれません。

週明け月曜日に予定されていた、彼らの10,000人規模の結婚式は行政から正式に中止命令が出ました。激しいデモで負傷者も出て荒れております。

www.cnn.com

 

(↓ネットフリックスのシリーズの中でも個人的に面白かったもの)

www.netflix.com

 

 

せっかく、NYは全体で陽性率1%以下をずっとキープしていたのに、どうなることやら、、

 

コロナによる渡航制限と国際養子縁組

今回は、アイダホニュースで見つけた記事の内容を要約してご紹介します。

idahonews.com

アメリカは、州ごとに養子縁組に関する法律が全く異なります。それに加えて、ロックダウン中の裁判所の開廷具合も全く異なっていましたが、総じて縁組に関する手続きは遅れていました。

最終的な縁組成立の認定のみ、オンラインで行う州もありました。

国際養子縁組となると、そこに移民局の審査も入ってくるのでさらにプロセスが増えて行くことになります。

渡航制限が出る中大幅に収入の減った移民局は、人員削減などでさらに手続きが遅くなり、大使館の面接も一時ストップなど、大混乱でした。

記事には、ある縁組団体の方のコメントが載っていたのでそちらを要約します。

 

ほとんどの国が海外への国境を閉ざす

アイダホ州を拠点とするニュービギニング・アダプション・エージェンシーの担当者によると、

渡航制限により、多くの国が海外からの旅行者の受け入れを拒否、制限してきました。

そのため、子供たちを迎えに行くことができず、手続きが進まない状況が続いていました。

ブルガリア、ハイチからは子どもを迎えることができましたが、中国からの養子縁組家庭は、何ヶ月か待っていますが、この先の具体的なことは何も決まっていない状態です。」

 

「養子を迎える予定の家族たちは、考えうる様々な対策を取ろうと努力しています。バーチャルプラットフォームを使うことで、お互いを紹介し合い交流を始めることもしています。」

 

「もし養子を迎えることを考えているなら、このパンデミックをできないタイミングと考えるのではなく、ぜひ行動を起こしてください。本当にたくさんの子どもたちが待っています。」

 

ということです。

 

経済活動が止まっても、子どもたちは大きくなっていく

 

「こうしている間にも、子どもたちはどんどん大きくなっていく」

 

これは、私が常々思っていることで、たまにこの気持ちが強くなって焦ってしまうこともあります。

コロナで経済活動が止まっても、国境が閉ざされても、家族や家庭環境が必要な子どもたちは毎日どんどん成長していってしまうんですよね。

小さいお子さんに関わったことのある方ならわかると思いますが、12ヶ月と18ヶ月、24ヶ月でもできることが全然違うんですよね。ティーンの子でも、13歳と15歳は全然違う。

 

なので、日々少しづつでも、知識を増やしたり、他の人の世界を見にいったり、共感したり、疑問に思ったりしてそれを発信することで、何かが徐々に動いていったらいいなと思います。

いきなり大ジャンプはできないんですよね。

 

大学院も、まだ修了まで時間はあるし、なんなら博士号とかも考え出したらもう早く社会に出ないと全然また状況が変わっちゃう!!!って思いますが、そこは、今できることからやって行きます。

正直、かなり専門的に学べる大学院はとっっっっっっっっっっても楽しいです!!笑

 

半年以上引きこもってみて思うこと

3月にニューヨークがロックダウンとなってから、半年間ほぼ外に出ず、自宅にて自粛生活をして来ました。

友人と初めて顔を合わせたのはロックダウンから4ヶ月後、最近になりようやく食事などの予定で外に出るようになりましたが、スーパーでの買い物以外はほぼ自宅でした。

歯医者さんなど、電子機器を使う施術は制限されていたので通院もできず。

 

私個人としては、このコロナ禍で社会がオンラインに慣れてきたことで、

セミナーやウェブ講義など、これまでなら聞くことのできなかった講座を受けれるようになったのはよかった思っています。

また、引きこもった期間にひたすら準備して大学院に合格したので、集中できたのも結果よかったかなと思っています。

 

来月は、また年に一度のビッグ・カンファレンスがあります。

(養親が中心となり立ち上げられた、東海岸最大の養子関連のコミュニティーのカンファレンスです。下記は去年の参加後の記事)

 

alwayschooselove.hatenablog.com

 

今回は全てオンラインでの講義となるようなので、録画ももらえるようですし楽しみにしています。

 

米国養子縁組界の著名人と奇跡の対談実現した話

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先日、アメリカで有名な"Adoptive Nation"という本を書かれた、Adam Pertman氏とウェブ会議をさせて頂く機会に恵まれました。(奇跡!!)

せっかくなので本の内容を少しと、お話しした内容や今後やって行きたいことをまとめます。

 

アメリカの養子縁組には欠かせない一冊

 養親、子どもたち、産みの両親、全ての視点を包括的に書いた本

このAdoption Nationという本は、最初の発売から約10年たった今でも、アメリカで "養子縁組について書かれた本のうち、これまでで最も重要な本" として支持されている一冊です。

私も実際に持っていますが、あまりの内容の濃さに、お勧めしてくれた本屋のお兄さんを全力でハグしたい!

全編翻訳してここでご紹介したいくらいですが、かなりの量なので厳選した一部のみご紹介します。

アダム・パートマン氏の略歴

まずは、簡単に著者のパートマン氏について。

現在は自身が設立したNational Center of Adoption and PermanencyというNPOの代表で、養子縁組に関わる全ての人たちのためのリサーチや教育、支援を行なっています。

 

元々はジャーナリストとして活動されていましたが、自身も二人の子どもの養親となった経験から様々な活動をされ、子どもの福祉に関して最も影響力のある一人として認められてきました。

 

その影響力は、社会全体だけでなく、法整備などにも及んで来ました。

過去には、Oprahなどの各有名メディアにも登場し、ピューリツァー賞にもノミネートされました。

(パートマン氏のプロフィールページ↓)

www.nationalcenteronadoptionandpermanency.net

本に書かれていること

この『Adoption Nation』という本は、主に3つの構成から成り立っています。

 

1. 声を落とさず、嘘をつかないで ... もうそれは秘密じゃない 
アメリカでの養子縁組の歴史、各州における法整備、国際養子縁組世界一の受け入れ国となるまでの流れが書かれています。

2. 微妙な問題、生涯にわたるプロセス
縁組された子供たちのアイデンティティー形成などについて、産みの両親たちのジレンマ、そして不妊治療など養親たちの背景。

3. 有望な未来と訪れる挑戦
障がいのある子どもたちの縁組、多様化する家族構成。養子縁組に関わるお金の問題。
これまで学んできたこと、これからのこと。

 

それぞれに、具体的に家族を対象に行われた研究や

実際に起こった事件、裁判などが書かれています。

 

正直「えっ、、、」と絶句するような貧困国からの縁組事情や、

大人になってから養子だったと気づいたアメリカ人たちが、裁判によりBirth Certificate(出生証明)の開示要求をしていった様子なども書かれています。

 

 特に2項の子供たちの自我形成に関わる部分と、産みの両親たち(特にスポットの当たらない父親たち)の部分、そして3項の高騰する縁組費用に関しては、

文化的背景は違えど、日本がこれから通っていく道として、とても参考になる内容でした。

 

ちょっとだけ、下に書いておきます。

  1. 子どもたちの自我形成について・・・アメリカにも、養子となった経緯や養子になったことすら伝えない習慣があった。あるアメリカ人男性は、46歳になるまで自分が養子だと知らなかった。縁組された子供たちは実の親を親として探しているわけではなく、また興味を持っているわけではない。成長や発達の過程で至極当然のことである。自分がどこから来たのか知りたい、という欲求はごく自然なもので、決して避けては通れない人生のかけらの一つである。子どもたちの権利をどのように認めていくかー真実は時に痛みを伴うからー。また本書では、幼児期からの縁組でも、虐待等を経た施設からの縁組でも、一度縁組みされると持続的な成長を見せる、など家庭環境と縁組における子どもたちへの影響に関する研究例も多数掲示されています。
  2. 産みの両親について・・・子どもを失ったことに対する産みの親としてのトラウマ、影に隠れがちな父親の存在。子どもを養子に出した産みの母親たちが、尊厳を持って扱われる社会にはまだ程遠い。孤独や後悔、”正しいこと”をするように言われるプレシャー。また、血の繋がった父親たちは、主に2つの視点から見られがちだ。一つは、妊娠に全く無関心で去っていくような男たちだということ、もう一つはそもそも縁組に関わって来ないこと。養子縁組はかなり変わって来たが、男性たちの立場は変わっていない。全員ではないが、大部分がすごく若い男か、他の女性の夫か、もしくはただの臆病者かー。社会の仕組みがそれを許していることもある。


上記のように様々な研究やストーリーを交えながら本は進んでいきますが、

ここでは本当に書ききれない〜!ので、

今後少しずつでも、参考になった研究などを抜き出し詳細をご紹介できたら、

と思っています。

著者のアダムさんとのウェブ対談

コロナの自粛期間中、私は丸々3ヶ月間家に閉じこもり、

日本で養子縁組と関わっている方や縁組された当事者の方など、いろんな方のお話を聞く機会に恵まれました。

 

(4ヶ月半経った今も未だにステイホーム中ですが・・・)

 

知れば知るほど、「いったいどこから手をつけたらいいんだ〜!!!」

と逆に何もできなくなっていく自分。。。困った。。。

 

そんな時、持っていた『Adoption Nation』の本を思い出し、

政治家でもなく、プロのソーシャルワーカーでもない、

私の理想的な”その真ん中”のポジションで、養子縁組に働きかけてきたアダムさんと話したい!

という気持ちになって、メールを直接送ったのがきっかけでした。

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きゃーーーーー!!!!ってなってます。

これから一人の大人として何ができるのか

アダムさんがまだ、ジャーナリストとして別の事件を追いかけていた時(OJシンプソンの殺人事件)、

記者ルームで「なんてことなの・・・」と呟いた女性がいました。

 

「どうしたの?」と話しかけたアダムさん。

その女性は、イリノイ州で4歳の男の子の親権が、血縁関係のある父親に渡ったことが書かれた記事をみせてくれました。

4歳まで愛情をたくさん受けて育って来た男の子が、今日から知らない家で”父親”と暮らすことになった話。

 

「僕はわかるよ、僕も養子をもらったから。」

 

そういったアダムさんの真横にいたレポーターが、

「本当に?うちも2人養子で迎えたよ」

 

そしてそのさらに隣に座っていた人も、

「うちも2人養子で来たんだよ」

 

そしてその女性記者が、

「本当に?・・・・私は養子で引き取られたのよ」

 

自分だけじゃなかった。いつの間にか、周りも、その輪の中にいたことが突然わかった。

気づかないうちに。

それならば、もっとその道のりを整備しなければ。

これからその道のりを歩き始める人たちと、すでに歩いて来た人たちの為に。

 

これはアダムさんの体験談です。

お子さんを実際に養子で迎えられた頃なので、約20年前だと思いますが、日本はまだこの段階まで来ていないのでは、と思います。

 

アダムさんが何度もおっしゃっていたのは、

「You need to be optimistic, and patient at the same time.」

(前向きでいること、そして我慢強くなくてはいけないよ。)

 

どんなに急いでも、時間はかかるし、前向きに進めていく必要がある。

今日明日、社会は変化を受け入れられないし変わらない。

まずは、小さなところからでもいい。

養子縁組は、関わる人を苦しめるためではなく、幸せのために行うもの。

"You can't boil the ocean."

最後に、アダムさんの教えてくれた素敵な言葉をお伝えします。

"You can't boil the ocean." 

直訳すると、”海を沸騰させることは出来ない。”

 

つまり、海に入っている水を沸騰なんて、あんな途方も無い量の水を沸騰なんて、

出来ないですよね?

 

でも、スプーン一杯の水なら、沸かすことができる。

20年前のアメリカの状態が今だと考えると、今から登っていく山はとてつもなく高いけれど、

そうやって一つずつ、一歩ずつ、大人たちが前に進めていくことが大切。

そして、子どもたちや関わる全ての人たちが適切なケアを受けられるようにしていくことが大切。

 

具体的に、「このような団体経営のアイデアはどうだろうか?」などの質問もさせていただきましたが、もっと勉強して、突っ込んだインタビューが出来たらよかった!!!

とも思いました。。

 

プロのジャーナリスト相手なので、自分の勉強不足が悔やまれます。

 

しかし、今後記事を書いたり様々な方法でアプローチしていくことを話せました。

 

「僕の本を翻訳したら〜」なんて冗談で言っていただきましたが、

本当にやりたいことのリストに追加させていただきました!

 

アメリカでは最近、疫病のエキスパートで、

エイズの研究にも多大な寄与をしたファウチ博士の

研究者を目指す学生たちへの神対応が話題になっていますが、

 

私も声を大にして言いたい!!

アダムさんの神対応!!

 

長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました^^

虐待・ネグレクトのケースに付き添うボランティア(米国)

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新型コロナウイルスが依然猛威を振るうアメリカで、何かボランティアなどできることがないか、とリサーチしていた時に見つけたのが、今回ご紹介するCASA/GALボランティアです。

 

レーニングされたボランティアが付き添う

CASA/GALボランティア制度は、アメリカ全土で行われているボランティア制度です。

1977年より行われているようで、意外と歴史が長くてびっくりしました!

制度の歴史

制度自体は、3歳の少女の虐待ケースを取り扱った裁判官が、少女の人生を決める判決を出すに際し充分な情報がないことがアイデアとなり始まったそうです。

1976年の裁判から、実際にボランティア制度が始まったのが1977年です。2000年には、累計174,000人の子どもたちが、900の団体を通じ47,000人のボランティアによってサービスを受けています。

【団体ホームページ(英語)】

nationalcasagal.org

ボラインティアの内容

CASA = Court Appointed Special Adovocate

GAL = gurdian ad litem

 

地域によって呼び名は変わるようですが、どちらも、裁判所によって任命されたボランティアが、ソーシャルワーカーや弁護士などの専門家とともに、虐待やネグレクトを受けた子どもたちが安定した環境に移るまで、子どもたちに代わり裁判所で証言を行うボランティアのようです。子どもを頻繁に訪問して深く関わり、その子どもにとってベストな選択はなんなのか、本人の希望、どのようなサポートがその子には必要なのかを見極め、それを裁判所やへ報告したり専門家とシェアします。

 

弁護士や他の専門家たちとは別の視点で、子どもにとってより良い選択がなされるために、ケースに関わるスペシャリストといえます。

一度に一人のボランティアが担当するのは、一人もしくは二人の兄弟で、裁判が終わり、子どもたちが安定した環境に措置されるまでサポートを続けます。ボランティアの提言は、裁判官が裁定をする上での大きな判断基準となります。

また、住んでいる州によってCASA/GAL団体を見つけ、その団体を通じて活動することができます。

 

ホームページ上では、裁判をする上でのあくまでの目標は、子どもたちが元いた家族に適切な形で戻れることであるが、それが叶わない場合には養育家庭も視野に入る、とされていました。

 

このページの図が分かりやすかったです⬇︎

nationalcasagal.org

ボランティアになるのに必要なこと

・30時間の事前研修

・活動開始後も、継続した年間10時間の研修

・バックグラウンドチェック

※外国人でもボランティアになれるのか?については、ホームページからは分かりませんでした。わかり次第アップしたいと思います!

CASA/GALがいることで

ホームページによると、裁判の過程でCASA/GALが関わっている場合には、子どもたちはより安全な家庭環境を見つけ、学校でのパフォーマンスもベターで、またフォスターケアシステムに入る確率は1/2ほどまで下がる傾向にある、とのことです。

具体的な活動記録などをこれから読んでみて、また研究していきたいと思います。

日本には似たような団体はなさそう、と聞きましたが、どうなのでしょうか?いろんな形で子どもたちをサポートすることができるんですね。

 

これからもっと、アメリカにおける社会的養護について勉強していきたいと思います。少し先にはなりますが、日本で活動できるようたくさん学んで、新しく学んだことはシェアしていきます!

秋学期の学校再開を強行するトランプ政権

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アメリカの半分以上の州で、さらなる新型コロナウイルスの感染率上昇がニュースとなる中、アメリカ政府は秋学期からの学校再開を強行する姿勢を見せています。

 

*参考記事(全て英語)

www.voanews.com

 

特に幼い子どもたちへの新型ウイルスの影響が不確定な中、また、多くの場合に感染力のある病気を家庭へ持ち込んでしまうのが幼い子ども達という側面もある中、政府は秋学期からの学校プラグラムを物理的に再開するよう、各州知事にプレッシャーをかけています。

オンライン授業により子供たちの間では深刻な学力格差が生まれているとの批判もあります。また、子供たちを学校という社会的活動から切り離すことは、深刻な精神的影響をもたらすという声もあります。しかし、不明確なことが多いパンデミックの中、子供たちを学校に戻すことが本当に得策なのでしょうか。

ニューヨーク州の反応

私がいるニューヨーク州では、まだ秋学期からの学校再開は決定されていません。

7月6日からようやくフェーズ3に移行したニューヨーク市も含め、クオモ知事は、全ての裁量権は自分にあるとして、再開を名言はせず、慎重になるべきだとしています。

一方で、学校再開に向けて、米国保健局の指針に従って準備は進めるよう指示を出しています。

7月6日時点でのニューヨーク州コロナウイルス陽性率は0.95%、一時598名まで増加した一日の死者は9名となっています。

フェーズ3では飲食店の店内営業も許可されていましたが、他州での感染再増加を受けて、現時点では許可に至っていません。

現時点で、感染の再増加傾向にある州からの移動者へ14日間の自主隔離を規定しているニューヨーク州。違反者には、初回で罰金2000ドルが定められています。アメリカ全土も、ニューヨーク州も、依然としてパンデミックの最中にいます。

苦境に立たされる留学生たち

多くの州や学校機関から反対の声が上がる中、さらに苦しい対応を迫られているのが各公立、私立大学です。

7月6日、米移民・関税執行局(ICE)は米国の高校、大学への留学生に対し以下の新たな措置を発表しました。

※以下の情報は、個人的に調べたものです。法的なアドバイス等は必ず専門家の方へご相談ください。

新しい学生ビザへの規定

・対象ビザは一般学生向け「F1」と職業訓練プログラム学生向けの「M1」

・留学先の大学などが秋学期の授業を全てオンラインプログラムにて行う場合、ビザは発給せず入国も認めない

・オンラインと対面式を組み合わせて行う予定の学校は、全てオンラインではないことなどを学校側がi20(在学証明書)上でそれを証明しなければならない

・すでに米国に滞在している留学生に対しては、対面式授業を実施する学校に転校するか、米国を出国しなければならない

・学校の指針は今後10日以内に決定し、移民局に報告しなければならない

新しい規定の問題点

アメリカの学校は9月入学で、多くの学校は8月末から授業をスタート

すでに入学の決まっている学生がまだ自国にいる場合や、コロナ蔓延により一時的に帰国している留学生も、入国が認められず授業を受けられないことになります。

 

・学校を転校するのに十分な時間がない

・希望の大学に在籍しているにも関わらず、転校を強制される

来月末から始まる授業を前に、すでにその学校にエンロールを決めている学生が、今から転校手続きを進めることが現実的に可能なのか?という問題があります。また、対面授業をする予定だった学校に転校できたとして、その学校が予期せぬクラスター感染等によりオンラインへ移行した場合は、国外退去の対象となってしまいます。

留学生が転校を進めるには、学校からi20(在学証明書)をリリースしてもらい、新たな学校へと移行手続きを取ります。移民局が大量に雇用をカットして全ての手続きがよりスローになっている今、学期開始前までに転校が完了するかは不確定です。

また、せっかく掴み取った合格が、卒業時には違う学校からの学位となってしまいます。取得した単位が全て新しい学校へ移行されれば良いですが、新たに必要となる単位を取得する必要がある場合、より多くの時間、費用がかかることになります。

 

・学業を中断して自国に帰っても、アメリカに戻り勉強を再開できる保証はない

新型コロナウイルスの収束が見えない中、次に授業に参加できる時期、アメリカへ入国できる時期すら分かりません。今後ビザが数年からそれ以上発行されない可能性もあります。

 

奨学金は学校ベースなこともあり、転校により権利を失う可能性がある

留学する上での資金を奨学金にてまかなっている学生の中には、学校ベースで奨学金を受けている場合もあり、その場合は保証されていた奨学金を受け取れない可能性があります。

 

・多額の費用を支払った上、自国から時差や環境の影響を受けながら授業を受けることに

一部の学生は、自国に戻っても適切なインターネット環境がない場合があります。

また、時差が大きい国出身の学生にとっては、アメリカ国内時間に合わせて授業を受ける必要があり、自国での生活とのバランスを取ることが難しくなると予想されます。

 

上記以外にも、考えられるデメリットはたくさんあります。

そもそも留学生ビザは、移民局に定めれらた週ごとの最低出席時間と成績により、ビザ保持者の国内滞在を許可するものでした。パンデミックにより、物理的に授業に参加できない状況が、この方針とそぐわないことが、今回の決定に繋がったと言えます。

 

この発表は、奇しくもハーバード大学が秋学期の授業を全てオンラインにする、と発表した数時間後に発表されました。ハーバード大学の一年間の授業料は、学部にもよりますがおよそ$50,000(約540万円)です。すでに授業料を支払った留学生達はどうなるのでしょうか。。

大学のうち、オンラインのみの授業にすると発表している学校は約8%、オンラインと対面を組み合わせた”ハイブリット方式”を取ると発表している学校は約23%。60%は対面式授業を再開するとしていますが、事態の急変がないとは言えません。残りの学校はキャンパスのオープンは未定としています。

 

留学生を人質に取られたような格好になってしまった多くの大学。もし留学生をキープしたければ、大学は学校再開を強行するほかありません。

学術的、金銭的に貢献してきた留学生

現時点で、米国には100万人以上が有効な学生ビザを保持していると言われています。

その数は、アメリカ全体の大学・大学院生の約5%を占めています。留学生達は、アメリカ市民より2〜3倍の授業料を払い、多くは奨学金の対象にも入りません。一説には、留学生が毎年支払う学費は400億円にも上ると言われています。

留学生は在学中の就労は認められていないため、払うだけ払って入りはないことになります。

また、ここ数ヶ月で、トランプ政権は、卒業後に留学生への就労を一時的に認めるOPT/CPTという制度も廃止する流れになっていました。それに加えて、外国人へ就労を許可するHビザも停止となったため、もしこれが現実になれば、多額の留学費用を払って学業を終えたのち、就労の機会を与えられないまま即座に帰国を余儀無くされるという、アンフェアな状態が作られそうな矢先で、今回、さらに留学生を閉め出すような方向へと政府が舵をきってしまいました。

 

さらに、特にインドや中国から多くの学生が入国することにより、より優秀な人材をアメリカ国内で確保することが出来ていました。彼らが研究費となる学費を払い、大学は研究を続けられ、また教授陣の雇用も保証されていました。彼らが卒業後、大手IT企業などに就職することで、アメリカは技術の最先端を走ってきたと言えます。

一部のアメリカ人は、留学生により、自国民の雇用や就学の機会が奪われていると主張してきましたが、数多くの競争相手から勝ち残ってきた留学生を超えるモチベーションや資金力を持つ学生を国内から得ることは、数年では難しい気がしています。

自国とアメリカの間で行き場のない学生も

アメリカから強制退去となったとして、全世界でコロナウイルスが蔓延する中、自国に入国が出来ない生徒達もいます。日本も、手段がない限りは空港で2週間過ごすことが決められていますね。国によっても状況が異なる中、この新しい規定を強行することになれば、数多くの学生達が影響を受けることになります。

 

 

この発表の数時間後には、すでに数多くの新規定阻止を求めるオンライン・ペティション(オンライン誓願書)が作られ、アメリカ市民を含む多くの人がサインをしています。

かくいう私も、この学生ビザで米国内に滞在しています。あと数日で、今後の運命が決まってしまうので、慎重に様子を見ていきたいと思います・・・。

【映画】インスタントファミリー

こんちは!

今日は、子供を持つつもりのなかった夫婦が、養子縁組を経ていきなりティーンを含む3人の親になるという映画『インスタント・ファミリー 〜本当の家族見つけました〜』についてご紹介します。

少々ネタバレかもしれないので、内容を先に映画で観たい方はぜひそうしてください!

 

感想としては、もう、めっちゃ泣けた・・・(語彙力)綺麗事だけじゃない、楽しいことだけじゃない。白黒つけられない気持ち、それぞれの葛藤。

美化されすぎず、正解を提示するわけでもない。

見終わった後は、ほんっとおおおおおに、観てよかった・・・と思ったのでした。

 

 実話が元になったストーリー

主人公は、カリフォルニアに住む夫婦、ピートとエリー、そして3人の子供たちです。

それまでは金銭的な理由やキャリアを理由に子供を持つことを考えていませんでしたが、生活にも余裕が出てきた矢先、エリーの妹とのひょんな会話から、養子を迎えることを決意します。

家族の反対や様々なことで、やっぱりやめるべきか・・・と迷いながらも、里親クラスに参加し続ける二人。

里親クラスには、シングルマザーやゲイカップルもいて、養子を迎えたい理由もそれぞれです。

15歳のリジーとの出会い

ある日開催されたマッチングイベントで、ピートとエリーが出会ったのが、15歳のリジー。物怖じしない彼女に惹かれた二人は面会を希望しますが、そこで、リジーにはまだ幼い二人の弟妹がいることを知ります。

このイベントのシーンですが、養親候補たちがみんな幼い子供達に興味を示したり、ティーン達もそれを分かっていて、だから大人達には話しに行かない・・とリアルです。

エリーもセリフで「ティーンはああしてこうしてこんなこともしちゃうのよ!無理!」的なことを言って(それをリジーに聞かれちゃうわけですが)、ただでさえ難しい年頃のティーンエージャーです。アメリカにいると、さらに、ミドルスクールに行った後はもうみんな大人みたいな問題が(ドラック、性、傷害など)より身近にあるため、初めて養子を迎えようとするピートとエリーが少々抵抗があるのも分かります。

いや、本当に、アメリカの中高校生達って、日本と比べたら大人びているんです。

12歳とかでも、ひえ〜!って感じです、本当に。

いざ3人の子供を家に迎えて・・・

すったもんだの末に3人ともを受け入れよう!となるわけですが、始まった生活はまさにドタバタの連続。

ちなみにピートとエリーは白人で、子供達はヒスパニックです。なので子供達の肌の色が問題になるか?を気にしたり、「いい人ぶってる白人じゃないわよ!」とエリーがリジーにブチギレるシーンもあったりと、養子を迎えるにあたり、あっちもこっちもいろんな要素が絡み合っていることが分かります。

この映画の良いところは、養子縁組というナイーブな問題を描きながらも、コメディタッチで結構笑いながら観られるところです。大人ぶらず、(というかなろうとしてるけど、なれてない)ピートとエリーの二人が全力で子供3人とぶつかっていきます。

 

15歳のリジーは大人達がどう扱ってくるか分かっています。そして大人達をどう動かすかも。彼女は産みのお母さんのところに戻りたい気持ちがあるので、なかなか心を開きません。超反抗的です!

ジーのお母さんは薬物の使用により刑務所に入っている設定です。生活環境も悪く、3人は保護されることとなりました。その間、ずっと幼い弟妹を世話してきたリジーにとっては、新しい母親ぶった人なんていらないわけです。

弟のユアンは注意散漫で危なっかしく、また、ずっと相手を怖がって謝ってばかり。

一番下のリタは、毎回わがまま爆発、叫ぶ投げる知りうる限りの暴言をはく、などかなりエクストリームです。

 

このような試し行動も結構リアルに描かれています。

そして、夫婦がサポートグループで怒りを爆発させたり。本当に、綺麗事だけでは里親、養親をやっていけないんですね。

少しずつ心の距離は縮まっている・・・のか?

色々なハプニングを乗り越えながら、心が打ち解けた?!と思いきや遠ざかったり・・・

幼いユアンとリタは、だんだんと打ち解けてきます。リタがピートを「ダディー」と呼んだり、ユアンが寝ぼけてエリーを「ママ」と呼んだり。

もう二人ともガッツポーズです。

ただ、リジーだけは、最後まで二人を親とは呼んでいません。

エリーとピートの家族、親戚もみんな巻き込みながら、五ヶ月が過ぎようとしていました。

実母の出所

そんな中、産みのお母さんが出所し、子供達を引取る希望があることが分かりました。

急な知らせにエリーとピートは混乱します。そして、実母と子供達の定期的な面会が始まります。この時点で、下の二人はすでに、ピートとエリーから離れることに混乱しています。

「ママのところにいたい・・・」とエリーの後ろに隠れるリタに、「私たちのママはこっちだよ」と手を引くリジー

そして、毎回面会を終えると、子供達は、ピートたちと暮らし始めた頃のように、叫んだり落ち込んだりと精神的にかなり不安定になってしまいます。それが落ち着いてきた頃、また面会があり、振り出しに戻る・・・ということが繰り返され、みんなのストレスはピークに。

ジーの事件

そんな中、リジーがテキストで性的な写真を誰かと送りあっているのをエリーが見つけて夫婦は激怒、学校に乗り込んで、その相手を見つけてパンチしてしまうという事件を起こします。

ジーはまだ15歳、でも相手はなんと掃除員の21歳の男でした。18歳以下のティーンを性的対象として行動を起こすと、問答無用で逮捕です。ですが、この掃除員を殴った挙句蹴りを入れてしまった二人も、警察に連行されることとなりました。

その間、下のユアンとリタは車で待ちぼうけ・・・

結局ピートのお母さんの助けで拘置所から出てきた二人ですが、これが後々の親権裁判にも響くことになってしまいます。

運命の裁判の日

子供達の産みのお母さん、子供達、そしてピートとエリー。

全員が出廷した裁判で、実母が数ヶ月間薬物を使用せずクリーンであること、子供達を受け入れる準備が経済的に、精神的にできているかが確認されます。

もちろん、ピートとエリーが警察に連行されたことも追求されました。そして、実母のところに戻りたいリジーが提出した、ピートたちの問題と思われる発言も引き出されてしまいます。

エリーは書き直した陳情書を提出しようとしますが、受け付けてもらえません。そして、判事にきっぱりと、「これはあなたの裁判ではありません」と言われてしまいます。

そうなんですよねー。あくまでも、家族の形を守ることが目的の養護システムです。

子供と実親が望んでいるなら、元に戻ることが、もしくは再スタートできるなら、それが最優先されます。あくまで、子供達にとって何がベストなのかを考え、それを実行するのが一番の目的です。

結局、その裁判の日が、ピート達夫婦と子供達で過ごす、最後の夜となりました。ユアンとリタはここにいたい、と言って泣き、エリーも子供達の支度をしながら涙を流します。

エンディング

出発の日。リジーは嬉しくてたまりません。

あまり浮かない顔の弟妹を励ましながら、実母の迎えを待っています。

到着した車。ですが、そこに実母の姿はありませんでした。

取り乱すリジーに、この件をずっと見守ってきたソーシャルワーカーの二人がこう伝えます。

 

「約束の時間になっても、彼女は来なかったの。だから家まで行ってみた。

彼女は、できないって。まだ準備ができていないのに、プレッシャーを感じてしまった。

それにね、見てすぐわかった、彼女はまた薬をやってる。」

 

15歳の女の子には残酷すぎる話です。

でも、これも絶対にどこかで起きている話。似たようなことは絶対どこでも起きてる。

ショックのあまり、走って逃げ出してしまったリジー。ピートとエリーは彼女を追いかけ、リジーが落ち着くまで離れたところで待っています。

ジーは、私だけ違う家に行く、たまに会いに来るし連絡するから、私はここにはいられない、ごめんなさい・・・と泣きます。実母を選んだことに罪悪感を感じるリジー

そこでピートが、最後の最後で、ようやく毅然とした態度で、「僕たちはもう家族だ、プロムのドレスを買うのも僕たちだし、君の高校の卒業式に最前列で張り切って、恥ずかしい思いをさせるのは僕たちだし、大学の卒業式でも同じことをやるし、結婚式だって!」「大学に行けっていうわけじゃないけどね、でもね選択肢も増えるし、え、結婚式?何言ってんのピート!」・・・「ずーっとずっと遠い未来も、私たちはあなたのためにここにいるよ。」

ジーは笑って、ようやくハグをしてくれて、そしてみんなで同じ家に帰るのでした。

そして、最後に、裁判所での養子縁組が認められて、お話は終わりです。

"Now the state of California pronounces you, a family." っていう判事の言葉。。。結婚式で神父さんが言うのと同じで泣けた・・・

二人のソーシャルワーカー

この映画の中で私がずっと見ていたのは、二人のソーシャルワーカーです。

どんな時でも、とりみ乱すことなく、事実を伝え、養親や子供達と関わっていく二人。

実際の現場はまだ知りませんが、何百件といろんなケースを見ているであろうプロのソーシャルワーカーたち。何度かアメリカの現場で働く人たちとお話をさせていただいたことがありますが、本当に、「まじか・・・」というような案件もたくさんあるみたいです。

これからもっと勉強なわけですが、早く現場を見たいなあ、働きたいなあ、と思いました。

無料の食事配給に行ってみました! in NY

先日、ニューヨーク市が提供している無料の食事配給サービスを利用してみました。

前回のブログで、ホームレスの人と無料配給の話をしたのをきっかけに、実際どんなものだろうと興味を持ったのが利用のきっかけです。

 

alwayschooselove.hatenablog.com

 

自宅から徒歩3分のところに一つ配給所があったので、様子だけでも見てみようと行ったところ、大行列を予想していましたがなんと誰もいませんでした。そこで、実際に食事を利用してみることにしました。

どんなものだったかをレポートします!

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給食が食べられない子供達のために

ニューヨークの無料配給(フードハブ)とは

2020年4月末現在で、平日の朝7時半から午後1時半まで、学期中は無料で朝食と昼食を受け取れるサービスです。ニューヨーク市の教育部門が主導で行なっています。

フードハブ(Food Hub, 配給所)は現在市内400箇所以上にあり、小学校や高校に設置されています。

身分証や事前の登録など一切必要なく、その場に行って、もらってくるだけになります。ニューヨーク市のウェブサイトは、「誰一人としてその場で受け取りを拒否されることはありません。」と明確に示しています。食事ができるスペースはなく、完全にGlab-and-Go(取りに行ってそのまま帰る)スタイルです。

最初は子供のためだけにオープンしていましたが、ニューヨーク州アメリカにおける最大の感染地となり、自宅待機が延長されるにしたがって失職率も爆発し、その結果大人たちでさえ食事に困るようになりました。そこで現在は、混乱を避けるために、

7:30 - 11:30 (子供のピックアップ時間)

11:30 - 13:30 (大人のピックアップ時間)

と決められて、大人向けにも食事を配っています。もちろん大人が子供の分を朝取りに行っても構いませんし、子供が遅れてきてもokです。(ニューヨークでは、12歳以下の子供は保護者同伴でないと外出できません。また、買い物も代表者一人でするよう言われている状況なので、その意味でも、家族の分をまとめて持ち帰ることができます。)

ニューヨーク市のウェブサイトより、住所から自宅近くのフードハブを検索できます。また、朝食と昼食のメニューもサイト上で公開されています。ちなみに、私の自宅徒歩10分圏内で2箇所ありました。私が住んでいるのは、ファミリーや若い人が多い中流階級くらいまでの人たちがいる地域と、昔から住んでいる低所得者の人たちの住む地域のちょうど間くらいの場所です。私が取りに行った時に全く人がいなかったのは、独身の若い人たちが多い方のエリアの配給所に行って見たので、そう行った地域性も少しあるのかな?と思いました。

ニューヨーク市のサイトです⬇︎

www.schools.nyc.gov

 

3月半ばには親子のサポート体制ができた

ニューヨーク市のPAUSE政策(pause : 一時停止の意味。生活に必要不可欠な事業を除く全てのビジネスを停止し、市民に自宅待機を求める政策)が発令されたのは3月22日でした。正式に施行される数日前から自宅待機を求める発表がされていたので、今日4月27日(ニューヨーク時間)ではすでに50日以上がたったことになります。

この結果、全ての公立学校はオンラインクラスへ移行することが決まり、デバイスを家庭で準備できない場合は市から借りられるなど、行政は早い段階から対策を講じて来ました。

こう行った状況の中、一日の食事を学校給食に頼る子供達のために、ニューヨーク市は食事の無料配布をはじめました。3月15日の時点で無料の食事配布が決定しており、PAUSE政策の始まる3月23日以降の平日には実際にサービスがスタートしました。

また、同時に、ファーストレスポンダー(警察官や消防士など、緊急時に真っ先に駆けつける職業の人たち)や医療関係者向けには特例として子供を預けられる保育サービスもスタートしました。

ニューヨークで最初の感染者が確認されたのが3月1日のため、約2週間で次々と対策が決定し、3週目にはスタートするという、各州、市の自治権の幅が広いアメリカならではの素早い動きでした。

宗教や思想を尊重した選択肢も用意

人種のるつぼ、と言われるニューヨークですが、住んでいる地域によってカラーは本当に様々です。特に公立小学校は、住んでいる住所によって通学できる学校が決まるため、通りを挟んだ向こう側とこっち側で、それぞれの学校の生徒たちのバックグラウンドは全く異なることになります。

少しでもより良い環境に子供を入れるため、友人に住所を借りたり(公共料金の支払いを自分の名前にしてもらったり)する人もいます。チャータースクールという民間と公立の中間に立つ学校、私立の学校ももちろんあります。

その中で、この無料の食事配布には、下記のオプションが用意されています。

ベジタリアンミール (Vegetarian Meal)

・ハラルミール (Halal Meal)

・コーシャーミール (Kosher Meal)...一部の地域のみ

・上記のような指定なし

 

ベジタリアンミールとは

肉や魚など、動物性の食品を使わずに調理された食事。ニューヨーク市が提供しているベジタリアンミールには、ヴィーガンのオプションはありません。ヴィーガンは、卵やバターなどの乳製品を含む全ての動物性を除いた、完全植物性の食事です。

・ハラルミールとは

イスラム教において食べて良いと決められているものです。豚肉に関する全ての食材(エキスなども含む)が除かれていて、他の肉でも決められた方法で処理されたものしか食べることはできません。ハラル自体には、他にもアルコール不可などの細かい規定あり。

・コーシャーミールとは

ユダヤ教において食べて良いと決められているものです。ユダヤ教では、甲殻類ヒレとうろこがついていない魚介類は全て食べることができません。また、同じ料理の中に乳製品と肉を両方使ったり、肉と魚を両方使うことができません。コーシャーには、その他ごく一部の鳥類だけがokなどの細かい規定あり。

実際にどんな食事だったのかレポート!

それでは、実際にどんなものものが入っていたのか写真でお届けします。

まず配給所に到着すると、え?ここ?みたいな、(何しろ外に誰もいないし表示等もなかったので)それで恐る恐る高校の入り口の扉を開けて中に入りました。

すると、2枚目の扉の前にテーブルと、その上にカゴが設置されていて、Kids(Breakfast)、Kids(Lunch)、Adults(Breakfast)、Adults(Lunch)の4つの種類に分かれていました。施設内には入らずに済むよう、机が入り口をブロックしている感じです。

係りの人に、「誰用の食事ですか?」と聞かれて、「大人一人です」と言うと、大人用の方から食事を持っていくよう言われました。子供用を取りに来る親御さんもいるので、そのための確認のようです。朝食か昼食か、どっちかだけでも良いよとも言われました。

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朝食、昼食と2袋もらってきました!
朝食の中身

こちらが朝食の中身です。見やすいように画像の色を少々変えています。

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結構いっぱい入っています!

シリアル一杯分、コーンブレッドマフィン、牛乳、チーズ1本、りんご、フルーツジュースが入っていました。

昼食の中身

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サンドイッチ1個、カップ入りのハムス2個、牛乳、ピーチゼリー、サンドイッチ用のマヨネーズとマスタードが入っていました。画像だと分かりにくいですが、サンドイッチはりんご2個分くらいの大きさで十分な量でした。市のホームページ上で、メニューは”野菜”となっていましたが、この日はハムスが入っていました。栄養価も高いですし、すごい!と素直に驚き。美味しいですし。

感想

アメリカちっくなスクールランチを想像していましたが、思ったよりはヘルシーな印象です。この日は生野菜が入っておらず野菜はハムスのみでしたが、別の配給所を試した時はベビーキャロットが一袋入っていました。メニューは3パターンくらいがローテーションで、それもたまに変わるようです。

味ですが、正直とても美味しかったです!この日入っていたものは、全部美味しかったです。個人的には、ハムスとコーンブレッドマフィンが特に美味でした。

サンドイッチの中身はチーズとハムのみでしたが、パンも具材も柔らかく、それ一つでお腹いっぱいになりました。

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りんごや牛乳は冷たくてきちんと温度管理されていました。また、ピーチゼリーはまだ凍っていました。

 

別の日のメニュー

最後に、別の日に違う配給所も試して見たので中身の写真を載せておきます。

この日も、朝食と昼食を一袋ずつもらいました。

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どちらも朝食っぽいですね!この茶色の箱のチョコレートミルクとても美味しかったです。

フードハブ以外の食料品サービス

市より提供される無料の配給以外にも、食材などを無料で受け取れるサービスがあります。

・外出できない人向けの食材デリバリーサービス

こちらも市が提供しているサービスで、家族内に誰も買い物に出られる人がいなかったり、一人暮らしで身体を思うように動かせない人のためのものです。事前に登録が必要で、上記のようなサービスを受ける条件を満たしている必要があります。最大で二日に一回配達を受け取ることができます。

 

・フードバンク

この新型コロナウイルスの流行前より、アメリカにはNPO団体などが運営するフードバンクというシステムがありました。牛乳やパン、パスタや野菜など、生活に必要な最低限の食材を無料で受け取れるサービスです。ウイルスの流行により多くの団体が、寄付金不足や従業員の安全上の理由から閉鎖を余儀無くされていますが、それでも活動をしている団体はいて、アメリカ各地で長蛇の列ができていると言われています。

www.youtube.com

こちらはフードハブに関するニュースです。↓

www.youtube.com

 

今回は長くなりましたが、読んでいただいてありがとうございました!

 

 

 

ホームレスの人を怒らせてしまった話/NYのホームレスとコロナウイルス

こんにちは!日本でも全国一律で緊急事態宣言が出され、一気に自粛の流れになりましたね。

私が住んでいるニューヨークでは、数日前に自宅待機令の2週間延長(5月15日までに変更)が発表されました。3月半ばから自宅待機している私は、少なくとも丸々二ヶ月間の待機になりそうです。

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全てが変わってしまった

ニューヨークのホームレスの人々の生活も激変

街から人が消え、人々の移動がほぼなくなった現在。ホームレスの人々の生活も変わっています。

マンハッタンの様々な地域に住む友人たちに聞くと、街を歩いているのはホームレスの人ばかり。ほとんどの人が自粛して自宅で時間を過ごす中、街を歩くホームレスの人たちの姿はより目につくそうです。

また、レストランも多くが閉店しているため、ゴミの中から食事を探すこともできず、道端で物乞いをしても人自体があまり通りません。

 

地下鉄車両内に住み着くホームレスたち

nypost.com

最近問題となっているのが、地下鉄の車両内に住んでしまうホームレスの人たちです。冬になると、マンハッタンからクイーンズやブルックリンなど終点まで1時間以上くらいかかる路線では、夜間にホームレスの人たちが車両を寝床にしてしまうことが問題となっていました。他の車両はとても混んでいるのに、なぜかガラガラの車両があったら、、大抵そこには誰か一人眠っている人がいます。それぞれが一つの車両にいたりするので、「せめてまとまった一車両にいてくれればいいのに・・・」と言っていた友人もいました。

新型コロナウイルスの蔓延以降、そもそも人が居ない地下鉄車両は、ホームレスの人たちが住むのにはもってこいの場所となりました。今では深夜から早朝にかけての時間だけでなく、昼間にも多くのホームレスの人たちが車内に滞在しています。まだまだ肌寒いニューヨークでは、しばらくこの景色が続きそうな気もします。

危険にさらされる地下鉄職員たち

ニューヨークの地下鉄を経営するMTAは、この事態を重く受け止めています。以前よりMTAは、警察官や福祉の専門家たちを導入してホームレスの人たちを車両内や駅構内から出て行くように促してきました。

MTAは、新型コロナウイルスの流行後、4月10日までの時点で、50名以上の職員が新型コロナウイルスに関連する症状により死亡したと発表しました。また、7万2千人の職員のうち、1900人近くが陽性判定を受けています。ニューヨークでの自宅待機令発令後、3月23日以降からの約3週間で、ホームレス対応チームは1700人以上のホームレスにコンタクトをとったそうです。

ニューヨーク市内では、ホテルの部屋をホームレスの人たち向けに解放したりシェルターも運営していますが、公的な支援を拒否する人も多いのが現状です。いくら車両を消毒したり職員に安全装具を配ったとしても、ホームレスの人たちが車内に住み続ける限り、必要不可欠な職業に従事する市民や職員たちの安全が確保されることはありません。

スープキッチンの閉鎖

ニューヨークには、スープキッチンという、ボランティアや寄付により成り立つ、無料で温かい食事を取れるサービスがあります。教会などが会場として使われることが多く、一度配布された食事を食べ終わっても、また入り口から整理券をもらって戻って来れば、何度でも食事を取ることができます。(整理券はあくまで配布量の把握のため)ホームレスであるかどうかに関わらず、全ての人に扉が開かれています。私もボランティアとして参加したことがありますが、ボランティアと食事にくる人たちの間に特に交流はなく、食事を渡したりお盆の移動をするだけで、それが逆に考えられるトラブルの可能性を減らしているようにも見えました。会場では、生活支援の専門家も常駐して社会復帰の手助けもされています。

下のリンクは私が登録しているボランティア団体のホームページです。ここ以外にもたくさんの団体が様々な場所で食事の提供をしています。

holyapostlessoupkitchen.org

新型コロナウイルスの流行後、私が登録していたスープキッチンの団体は当面の間活動を停止する旨を発表しました。当初はボランティアが集まり配膳することはやめ、持ち帰りの出来る食事を渡すように運営体制を変更していましたが、今はそれ自体を見合わせているようです。この変更は少なくとも4月30日までは続く、としています。

郊外にはまだ活動を続けている団体もあるようですが、大部分の人が仕事を失った今、ベーシックな食材や食事を無料で受け取れる配給所は長蛇の列のようです。

実際のホームレス男性とのやりとり

そんな中、私が先日スーパーへ買い物へ出かけた時に、ホームレスの男性を怒らせてしまったことがありました。マスクなどもなしに道端に座り込み、「何か食べるものをください」と訴えていましたが、立ち止まる人はおらず。私も買い物に出たところだったので、手ぶらでカードと携帯くらいしか持っていませんでした。そこで、「公立学校とかに行ったらご飯もらえるよ。近くの場所調べようか?」と聞いてみました。

ニューヨーク市は、ウイルスの流行とともに早い段階から「Meal Hub(ミールハブ)」という活動を進めてきました。最初は給食の食べられない子供用に1日分の食事を毎日配っていましたが、現在は子供のいない大人でも食事を配っています。

ミールハブはニューヨーク市内に400箇所以上設定されており、平日の朝7時半〜11時半が子供と子供と一緒の大人のみ、午前11時半〜13時半が大人専用のピックアップ時間です。土日はありません。

実際に行ってみたので、体験談は別記事にします!

 

alwayschooselove.hatenablog.com

 

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私が登録しているニューヨーク市のメルマガです。随時ショートメッセージで情報のアップデートが届きます。ピンクの矢印がミールハブ情報、緑色が自宅待機令の延長を知らせてくれています。

 

私が出会ったホームレスの男性の話に戻ります。

彼は見た目も結構若く最初は「え?なにそれ?」と言っていましたが、実際に私が何も手渡さないのが分かると、途端に怒り始めました。「ねえ。何かくれるのくれないの?くれないならもうあっちへ行け!ほら!あっち!もう行け!!!」

 

.....正直怖い!マスクもしていないのにもっと近寄ってこっち向きに叫ばれたら・・などと考えているうちに、だんだんと彼がヒートアップしてきたので、それ以上は話さずにその場を立ち去りました。

ただ、話している時気になったのが、「俺はシェルターには行きたくないんだよ!」とも言っていました。シェルターとは、無料宿泊所で、人数制限はありますが、行けばその日の寝床は確保できる場所のことです。シェルター内でも窃盗なども多く、環境はあまりよくないとも聞いています。

シェルターではなくただの無料のご飯で、行くだけで無料でもらえる、と説明しても、あまり通じていないようでした。私の英語力か?とも思いましたが、さすがにそこまで下手でもないと自負しているので(普段問題なくアメリカ人の友人たちとやり取りできるので)、もしかしたら彼の過去に何かあったのかな、と思いました。

先述した通り、公的な助けを断る人も多くいるのが現状のニューヨーク。長く路上生活をする上で、人を信用できなくなったり、助けを受けて社会復帰することが逆にプレッシャーになったり。あるドキュメンタリーでは、どんな人でも路上でひとりぼっちになれば、誰でもまともじゃいられないよ、とも言っていました。精神疾患や依存症、出生届を出されていないため仕事に就けない人。高い賃料。家を失う理由はいくつもあります。たった一つの方法では、全てのホームレスの人たちを助けることはできません。また、彼らが助けを求めているとも限りません。

自分が想像できるより、ずっとずっと深くまで根を下ろしている問題なんだな、と感じました。

アメリカの大手団体が国際養子縁組から手を引くと発表

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大手斡旋団体の決断

このニュースを、ずっと書かないと、と思っていたんです。(大元の記事は英語です。)

www.christianitytoday.com

ニュースが出たのは今年、2020年1月。まだコロナの影響がほぼ中国国内のみで、この時は世界が今のように変わるなんて考えてもいませんでした。

養子大国のアメリカで、大手で、しかも教会系の団体が、国際養子縁組から手を引く、と発表しました。正確には、国際養子縁組のライセンスが切れる2021年に、それを延長することなく取り組みを終了する、というものです。

なぜ国際養子縁組をやめるのか

団体の副代表が記した理由は下記です。

・国際養子縁組への取り組みを終了することは、制度への批判や、養子縁組自体への働きかけをやめるという意味ではない。世界中のそれぞれの地域で、その地域内でのサポートを今後充実させられるよう動いてきた。地域に根付いたサポートをしていく、という気持ちの表れ。

・実際に、地域に根付いたサポートを強化することにより、2019年には、これまで以上の縁組を成立させることができた。

年々減少する国際養子縁組

実際に、過去20年間において、アメリカへの国際養子縁組件数は減少してきました。

2004年に約3万件だった件数が、2014年には、4000件を超える程度に留まっています。この背景には、ロシア、グアテマラエチオピアなど、それまで多くの子供達を養子に出してきた国々が、アメリカへの養子縁組を取りやめたことがあります。依然その数がトップである中国からの養子縁組も、2015年に中国が一人っ子政策をやめたことにより、数自体は減ってきています。また、各国において、自国内での子供の福祉に関するシステムの整備が進みつつあることもあります。

私も個人的に、子供のアイデンティティ形成を考えても、自分の生まれた文化の中で育てられるということはより自然で納得できる形だと思います。

また、停止を発表した団体の代表者は、こうも述べています。

・この団体を通じて国際養子縁組をする場合、だいたい$50,000(約540万円)かかります。この一回の縁組の金額で、私たちが持っているアフリカ関連のプログラムで、50人の孤児達に身近で温かい家庭を見つけてあげることができるのです。

 

ビザの手続きや両親の渡航費、また高額な弁護士費用がかかる国際養子縁組。その費用を別の形でより多くの子供達を手助けするために使う。その方が、道理にかなっているように思います。また、アメリカにおいて、国際養子縁組や里親制度に関わるソーシャルワーカー達は、最低でも大学院卒業の資格が必要にも関わらず、その給料は約300万円〜500万円となっています。(都市による)

ほぼ生活の全てをかけて、全力で仕事をするエージェントにも、ふさわしい金額が支払われて欲しいなと思います。子供達の命を預かる仕事のため、扱いが難しい部分ではあると思いますが。実際にアメリカ国内で国際養子縁組をした人たちに聞いても、ネットで調べて上位にくる団体は、弁護士費用を多く払っている団体で、情報に偏りがあるように感じたとのことでした。

これからどうなるのか

奇しくも新型コロナウイルスの影響により、ますます国同士でのやり取りが制限される状況になってきました。私のいるニューヨークは、自宅待機令が出てから約3週間。人々の生活は以前とは全く違うものになっています。この自宅待機令も4/29までの延長が発表されました。

ノンエッセンシャルワーカーは、自宅に待機し、不要不急の外出、人との集まりが禁止されています。違反した場合の罰金も、先日$500から$1,000に引き上げられました。

いつもより時間がある分、いろいろなことを勉強して、今後に備えることが出来そうです。

この騒動が全て終わったあと、世界はどうなっているんでしょうか。

新型コロナウイルス/日本とアメリカの温度差

 

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全世界を巻き込んで広がる新型コロナウイルス

日本では、一部テーマパークの営業が再開されるなど状況の回復、という雰囲気になっていますが、ここアメリカでは、カリフォルニアの外出禁止令に続いて、ニューヨークでも自宅待機令の施行が決定されました。ヘアサロンやネイルサロンなど、必要最低限以外の店舗の営業は全てストップされ、全ての企業の従業員は自宅待機、住民は、必要最低限の外出以外は、同居以外の家族、友人と会うことも控えるよう言い渡されました。レストランはデリバリーか持ち帰りのみ。郵便局や公共交通機関、ランドリーや銀行などは営業しています。全てのイベントは禁止され、学校は休校に。緊急を除く手術、歯科治療は延期されています。ショッピンモールなどは閉店し、オンラインのみの取り扱いとなっています。

 

アメリカ国内での温度差

ニューヨーク州の場合

アメリカ国内でも、州によって感染者数に差があり、感染者数がトップとなったニューヨーク州では、”ゴーストタウン”と呼ばれるほどに街中は空っぽの状況です。スーパーも品薄か、人気店では棚が空っぽです。("Ghost Town NY"などで検索してみて下さい、空っぽの街が見れます)

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夕方6時頃のミッドタウン付近。普段はラッシュアワーで混雑する時間帯です。

気温が20度近くなった昨日3月20日、散歩をする若者たちの姿が見られましたが、"social distancing(他人との距離を取りましょう)"がうたわれている今、会話をするにも約2メートルほど距離を開けて、と言われています。高速道路を通れば”STAY HOME(家にいて)”の電光掲示板の文字。子供たちを含む学生ははオンライン授業を受けることとなり、今年いっぱいの学校再開すら危ぶまれる状況です。

テストセンターも閉鎖され、今の所4月まではTOEFLGREなどのテストも受けることができなくなっており、各大学、大学院も申し込み期限を延長する事態となっています。

ここまでの封じ込めをすることで、大幅な経済の停滞が予想されています(すでに閉店するレストランも続出)。毎週の支払いに頼る時給で働く人たちなどは、差し迫った支払いをどうするかに頭を悩ませています。ガス会社、電気会社などは、この期間に遅れた支払いに関しては、延滞料を設けない、としています。

フロリダ州の場合

一方のフロリダ州では、春休み中の学生でビーチはいっぱいに。新型コロナウイルスをBoomer Remover(ブーマーリムーバー。ベビーブーム時期の1946-64年頃に生まれた人たちを排除するものだ、と新型コロナウイルスにつけられたあだ名)と呼び、むしろ積極的に外出する若者たちに非難が殺到しています。

www.youtube.com

2020/3/21放送のニュース

www.youtube.com

2020/3/20放送のニュース

 

これを受けて、フロリダ州ではようやくビーチのクローズが決定されました。

若い人は大丈夫、という認識もありますが、上記abcのニュースでも言われているように、入院が必要となった感染者のうち約38%は20-54歳であるとも言われています。重症化しないとは言っても、自分が無自覚のうちに他の人にうつしてしまうこともあり得ます。

責任のある行動を、と、政府関係者、有識者も含め様々な人が口を酸っぱくして訴えています。有名人、著名人もソーシャルネットワークを通じて、それぞれが自宅待機でどう過ごしているのか、をシェアしています。(ドラマや映画の撮影も延期となっているところが多いようです。)若い人の協力なしでは封じ込めは成功しない、と。果たしてその声は届くのか・・・

ニューヨーク州の子供達の状況

ニューヨーク州では、すでに全ての公立学校がクローズとなり(最低でも4月20日まで)、オンラインでのクラスへと移行がされています。家庭でオンラインデバイスを準備できない場合は、行政に相談可能となっています。ただし、インターネット環境を準備できない家庭もあるなど、各家庭により状況は異なるため、完全な教育の平等を実現するために行政の助けが必要となっています。また、学校給食に食事を頼っている子供達がお腹を空かせるようなことはないよう、毎日朝7:30から学校では無料のランチパック3食分が配られています。

さらに、医療従事者やその他最低限に必要な職業に従事している保護者の子供達を預かれるよう、彼らが安心して仕事に行けるよう、約100箇所の預かり箇所を設置し、12年生までを預かる、としています。ニューヨークでは、11歳までは保護者もしくは成人が常に一緒にいる必要があるため、それ以上の年齢になって初めてお留守番可能、ということです。

先の見えない不安

この状況が、いつまで続くのか分かりません。先が見えないことが、今一番の不安です。全ての職業がリモートで成り立つわけではなく、移民だけでなく、多くのアメリカ人が不安を抱えています。ニュースは新型コロナウイルスの話題ばかり。これからテストをもっと実施するため、感染者数は必然的にもっと増えるとみんなわかっています。ニューヨークのクオモ州知事も、ここ数週間だけでなく、数ヶ月単位で考えていく必要がある、と発言しています。

アメリカにいると、オリンピックどころじゃない、という空気ですが、日本のニュースを見るたび、すごい温度差を感じる毎日です。日本でこれ以上感染が広がらないならそれで良いのですが、様々な可能性を見た上で、日本の行政も含め、自分の行動を選べる大人たちに責任のある行動をとって欲しいなと思います。

赤ちゃんに関する16の"間違った"定説(前編)

 

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今日は、赤ちゃんに関する16個の定説を、小児科医であるハモンド医師と、発達心理学者のプレスマン医師が解説した新しい動画をご紹介します。(2020年2月4日アップロード)

 

www.youtube.com

赤ちゃんに関する16のウソ/ホント

より早く歩き始め、話し始める赤ちゃんの方が頭が良い?

早く話し始めた赤ちゃんの方が、後々の言語スキルにおいても伸びが見られることはあっても、遅く話し始めた子たちがそれと同様もしくはそれ以上のスキルを身につけられない、ということにはならないそうです。

歩くことについては、言語とは少し見方が変わってきます。歩くこと、すなわち運動機能においては遅れは察知しやすく、運動機能だけでなくそれ以外にも今後起こりうる発達に伴う問題や遅れを予測するのに役立ちます。したがって、お子さんの歩き始めが遅いと感じた場合は、かかりつけの小児科医に相談して見ることは、とても大切なこと、だそうです。必ずしも早く歩き始めたお子さんの知能が高くなる、ということはないそう。

眠っている赤ちゃんを起こすのは絶対にだめ?

特に、赤ちゃんが産まれてから最初の数週間は、これは間違った定説だそうです。新生児にとって、頻繁にミルクを飲むことはとても大切です。もし眠りが深い新生児の場合は、実際に3〜4時間ごとに赤ちゃんを起こし、ミルクを飲ませる必要があります。

生後5〜6週間で眠りのサイクルができてきますが、それまでの期間で昼間に赤ちゃんが3〜4時間以上寝ている場合は、一度赤ちゃんを起こすことで、より夜間の睡眠も安定してくるそう。

赤ちゃんの成長とともに、昼寝のサイクルも伸ばすことが可能になります。

子守唄で赤ちゃんは眠くなる?

誰もが赤ちゃんに子守唄、というのは知っていることですが、これも実は間違い。ただし、間違いといえばそうですが、完全に間違っている、というわけでもないそうです。

落ち着いた音楽を歌う/流すことで、実際に赤ちゃんや寝かしつけている人の気持ちを落ち着かせる効果はあります。ただし、それをずっと流しているからといって、魔法のように赤ちゃんが眠りにつく、ということではないそう。赤ちゃんを寝かせようと、落ち着いた音楽をかけて赤ちゃんに触れること自体には、赤ちゃんを落ち着かせる効果があります。

昼寝は本当は必要ない?

赤ちゃんや幼い幼児にとって、お昼寝はとても大切です。赤ちゃんを昼間ずっと起こしておくことで疲れさせ、結果夜間にずっと寝てくれるはず!という保護者は時々います。しかし、それをすることによって、赤ちゃんは常に機嫌が悪い怒りっぽい子どもになるでしょう。

赤ちゃんや子どもたちは、お昼寝をすることで、学ぶ能力がさらに向上し、自分自身をコントロールすることを練習していきます。そして一番大切なのは、「眠りに落ちる」ことの練習にもなっているということ。疲れすぎている赤ちゃんというのは、夜間に安定してしっかり眠ることができません。子どもが3歳になるまで、お昼寝は、昼間の子どもの態度、感情的な成長および夜間の安定した睡眠のために、非常に大切な生活サイクルの一つです。

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小児科医のハモンド医師と発達心理学者のプレスマン医師

赤ちゃんは、生後三ヶ月までに夜間通して眠れるようになるべき?

全てのお母さんが願うことね!と二人の医師。赤ちゃんが夜起きるのは、お腹が減っているため。生後四ヶ月までは、赤ちゃんにいろんなことのリズムやサイクルを合わせましょう。生後四ヶ月〜半年になり、ようやく大人側がコントロールを入れてみる、という感じで問題ありません。

ある特定のおもちゃが赤ちゃんをより賢くする?

これは完全に作り話です、と二人の医師。赤ちゃんの知能を高めるのはおもちゃではなく、そのおもちゃで遊ぶ間に生まれる母親もしくはお世話をする人との関わりです。赤ちゃんにたくさんのブロックを与えたところで、その赤ちゃんは賢くなってはいきません。赤ちゃんが産まれてから最初の一年で知能を高めるためにできることは、お世話をする人が色々なものを通して赤ちゃんと交流することです。

おもちゃが一つあって、それについて話したり、それがどんな形や色かを伝えたり。そのおもちゃに関して大人が子どもと一緒に関わることで、赤ちゃんの脳を刺激できます。おもちゃだけを与えて子どもが賢くなることはありません。

また、お子さんと遊ぶときに、大げさな表情をしたり、少し高めの声で(教育番組の司会の方のような)話すことはありませんか?赤ちゃん言葉で赤ちゃんや子どもに話すことは良くない、と言われますが、それと上記は全く別で、とても大切なコミュニケーションの取り方の一つです。たくさんの言葉を使って子どもに話しかけることは、以降の言語能力の発達にとても役立つのです。反対に、ただ「バーバー、あーあー」のような音だけを出すことは、あまりお子さんの知能の発達には関係ありません。ただし、お子さんと関わる上でそれがとても楽しく、有意義な時間と感じられる場合には、お子さんと一緒に楽しむ上で問題はないそうです。

赤ちゃんを跳ねさせるとO脚になる?

結構これを心配する親は多いそうです。が、そもそも赤ちゃんは、胎内にいるときに脚をクロスしている状態のため、産まれてから両足が内側に向いているような感じに見えるのはごく自然なことだそう。そして、多くの赤ちゃんは両足で立ちたい、という本能を持っています。そのため、赤ちゃんを抱えてジャンプさせることは、赤ちゃんとのコミュニュケーションを取れるだけでなく、赤ちゃんが立ち、歩くために必要な筋肉の成長を助けているそうです。また、赤ちゃんの腰が座るまでは赤ちゃんを座らせ流べきでない、という人もいますが、これも間違いだそう。

一つだけ注意して欲しいのは、ジャンパーと呼ばれる器具は、歩くための筋肉やバランス感覚の成長とは無関係だそうです。さらにいうと、ジャンパーを使うことで赤ちゃんたちは下に重心を、というより上に向かってただジャンプするだけになり、ほとんどの場合つま先を使い出します。つま先を使うことは多くの専門家の間では推奨されていません。

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写真の器具がジャンパーです

過剰な泣き方の時は赤ちゃんに異変?

赤ちゃんが異常な泣き方をするとき、まず初めにすべきことは、かかりつけ医に相談し、医療的な問題が何もないことを確認することです。そして、食事、排泄にも問題がないことまでわかったとき、考えられる理由のうち大半は、赤ちゃんが自分で落ち着く方法が分からなくなっているということです。特に、生後3週間〜6週間は最もぐずる時期とも言われています。

日本では黄昏泣き、に聞き覚えがある方もいると思います。(英語ではコリックといい、世界共通です)黄昏泣きの定義としてハモンド医師があげたのは、

・最低でも一日3時間、週に3日以上、3週間以上の激しい泣きが続く場合

です。例えば、実際に赤ちゃんを抱き上げて、優しく揺すったり撫でたり、それで泣きが治ったところでベットに下ろすとまた泣き始めた・・・ということもあるかもしれません。しかし、抱き上げて落ち着かせている間は泣き止んでいるということは、他に特別に痛い所や不快感のあるところがない、ということでもあります。1時間以上赤ちゃんが泣き続け、何をしても変化がないときは、医師に相談しましょう。

多くの場合、赤ちゃんや幼い子供達は、自分を落ち着かせたり、気持ちを切り替えることを、成長を通じて段階的にできるようになっていきます。なかなか泣き止まない赤ちゃんをあやすことはとても大変で、終わりがないようにも感じることです。しかし、赤ちゃんを落ち着かせようと寄り添うことは、長い目で子供の発達を考えた際、とても大切で、あとで必ず生きてくることなのです。

 

後編に続きます!

 

現場で働く人たちへの資金不足

 

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先日、私の住んでいるニューヨークで、社会的地位のある方で、地域貢献や活性化を熱心にされている方と朝食をご一緒する機会がありました。

普段のお仕事とは別に、少年スポーツ団の監修をボランティアでされており、性別問わず、障がいのあるお子さん達も含めて、何百人といる子ども達と一緒にスポーツを楽しんでおられます。

 

彼は、ご自身のお子さんに加え、中国から来たダウン症をもつお子さんを二人養子縁組されています。私が養子縁組のフィールドで働きたい、という夢を知っている友人が繋げてくれました。どんな人とでも意外なところから繋がれる、これもアメリカの魅力の一つかもしれません。

現場への資金不足

彼はもともとフロリダに住んでおられ、その時にひとりめのお子さんを養子縁組されました。

養子縁組をいざしようとインターネットを検索し、検索トップに出てくるエージェントとほぼほぼコンタクトをとったようです。また、フロリダ州だけでなく、周囲の残り二つ、計三つの州をまたいでリサーチを行ったそうです。アメリカでは、州によって養子縁組に関する細かい条件などが異なる場合があります。

そこで気づいたのは、検索トップに出てくるエージェントは皆、弁護士やマーケティングに多くの費用を支払っているということです。養子縁組にはかなりの費用がかかります。ましてや海外からの国際養子縁組には、渡航費用やビザ関係の費用も加わり、さらにダウン症のお子さんを養子縁組するために必要な医療に関する手続きや検査などの費用がかかります。

かなりの費用を養親は支払うわけですが、実費以外のそのほとんどは弁護士費用として支払われている印象だったそうです。現場で働く人たちは、心を燃やして、一生懸命で、こんなに誰かのために働いているのに、たとえ福祉系の有名大学を出ていたとしても年収は約$35,000(日本円で約350〜370万円)。仕事の内容に釣り合っていないよ、とおっしゃっていました。

 

養子縁組のエージェントは、教会などによって運営されているものか、そのほとんどはNPO(非営利組織)として運営されています。そのため、活動資金は寄付などに頼っています。施設の規模はエージェントによってまちまちです。大きいところでは、施設内に生みの母親たちを集め、子どもを産むまでの生活面・精神面のケアをしながら、養親に引き渡すまでの面倒を見てくれるところもあります。

https://www.adoptionsbygladney.com/

 ※テキサスに本部のある養子縁組エージェント、Gladney(グラッドニー)。英語のサイトですが写真などが見られます。大規模な施設には妊娠した母親たちと医療関係者が常駐し施設内で赤ちゃんの引き渡しまで行われます。グラッドニーでは、この施設で産まれた以外の赤ちゃんも養子縁組のネットワークに入っており、国際養子縁組の手伝いもしています。

資金を得るのはなんのためか

お子さんの幸せを第一と捉える養子縁組にとって、お金の取り扱いは時に難しいこともあります。日本では、営利目的で斡旋を行ったとして業者が逮捕されたこともありました。

www.sankei.com

個人的に、専門的な知識をもち、適切な対応ができる専門家には相応の報酬が支払われるべきだと私は考えています。それが弁護士だけでなく、(アメリカの弁護士費用自体が高額ですが)社会福祉士や児童心理司など、養子縁組に関わり一生懸命働く人たちにふさわしい報酬が支払われてほしいと思っています。もちろん命をお金で取引するようなことがあってはならないし、お金をより持っている人がより有利になることは、養子縁組にはそぐわない流れだとは思いますが。。さらに、現状高額な養子縁組の費用をもっとあげることは養子縁組自体のハードルをあげることにも繋がります。お子さんひとりを育てられるのに十分な資金があれば良いはずが、それ以上、となってしまいますよね。

ただ、もし今より資金が集まることで、子どもたちにとってより助けになるプログラムやイベントを開催できたり、現場で働く人が増えることで、よりそれぞれのケースを余裕を持って十分に見ることができるようになれば、それは素晴らしいことだと思います。

こうした矛盾点を改善し、養子縁組を促進して家庭や安定した環境で育つ子どもたちを増やすために、どのようにマーケティングし、養親以外のところから資金を集めていくか、戦略が必要になってきます。これは今の日本にも必要なことで、ようやく養子縁組を認知し始めた社会が向き合っていく問題でもあります。

そのために、私はビジネスと福祉を一緒に勉強しようとしているのですが、、時間ばかりがすぎてもどかしい時もあるのが正直なところです。

早く現場に出たいなー!!

なぜ養子縁組か

こんにちは!

今日は、私が養子縁組に興味を持ったきっかけについて書いていきます。

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心のよりどころの大切さに気づく

私は両親が教員、親戚も教員や公務員という環境で育ちました。父は武道を教えていたこともあり、私が7歳の頃に自宅裏手に道場を建設し、そこに高校生を下宿させるようになりました。私の両親は自身の家族も大切にしていましたが、それに加えて学校で出会う生徒たちのためにも24時間体制で接し、またそれを活き活きと楽しんでいました。

両親は、誰のことも、真剣に、情熱を持って接していました。

寮から巣立っていった高校生達は、今でもお正月や結婚の報告など、様々な場面で道場を訪れ、報告をしてくれます。卒業後、自らも指導者となった同窓生も多いです。

実家の他にこういった場所があることは、素敵なことだなあとずっと感じていました。自分のために本気で喜び、本気で叱ってくれる人がいることは、血の繋がりに関係なく大切なことだと思います。

教育と家庭環境

そんなこともあり、教育が常に身近にあった私にとって、自分でも教員免許を取ることは自然の流れでした。大学在学中より教育系の企業でインターンを始め、そのまま渡米前まで約6年間、様々なご家庭の教育サポートをさせて頂きました。渡米後は、現地の保育園にて総務部に入り、日本人のご家庭からハーフや完全にアメリカもしくは別の国がバックグラウンドのお子さん、ご家庭と接する機会を頂きました。そうしていくうちに、教育の機会の大切さは元より、それ以前に一番大切なのは家庭だという事を痛感したんです。

人生を変えた一本の動画

アメリカに来て数年が経ったとき、今後はやはり、自分を育ててくれた日本に何らかの形で恩返しをしていきたいと考え始めていました。そんな時に偶然見つけたのが下記の動画でした。

 


さっちゃんは2才。ひとりでうみをわたった。

「幸ちゃんは2歳 たった一人で海を渡った」(株式会社熊本県民テレビ)

平成3年 文化庁「芸術作品賞」受賞作品

※映像の元データを探しましたが見つけられず、フリー動画サイトよりリンクを拝借しています。ご存知の方がいらっしゃいましたらお知らせ下さい。

 

この動画は20年以上前のもので、現在の日本ではもっとロビー活動が進み、養子縁組が認知されるようになっています。それでも、全体の養子縁組数のうち子供のための養子縁組はわずか約10%(データ元貼り付け)、他の90%は遺産相続や家族経営ビジネスなどの保持を目的とした大人同士の養子縁組となっています。また、私が住んでいるニューヨーク市では、ここだけで約4万人の子ども達が社会的保護のもとで生活しているとされています。日本で家庭を必要としている子どもたちの数が約4万5千人と言われているので、アメリカの規模の大きさを感じさせられます。

 

アメリカでは、養子縁組は日本よりももっとオープンに行われています。子供達への告知を当たり前にする事はもちろん、人種が異なる親子間での養子縁組や、同性婚カップルの養子縁組、さらに未婚女性でも条件を満たせば養子縁組をしシングルマザーとなることが可能です。また、積極的に障害のある子どもやエイズに感染した子どもを養子縁組して受け入れる家庭もあります。不妊治療に関する技術や法律も日本よりずっと解釈の広いアメリカですが、養子縁組も家族になる当たり前の選択肢の一つなのです。

 

血のつながりだけでなく、もっとたくさんの家族の形がある事を日本の皆さんに知ってほしい。そうした想いでこのブログを立ち上げました。夢をみて、積極的に人生を楽しんでいく時、大切な自己肯定感は、家庭で自分だけに向けられる温かい眼差しの中で育っていくと信じています。(もちろん、家庭で育っていないからどうのという事では決してありません!!そして、施設で育つより養子縁組の方がいいとかそういうことでも決してありません!)家族が必要な子どもたちがいて、子育てをしたいと望んでいる人がいるなら、少しでも多くのマッチングが起こってほしいです。アメリカで得た情報や感じた事、日本におけるデータなどをシェアしていきたいと思っています。

 

ここまでお読み頂きありがとうございます!